アルゼンチン出身のフランシスコ法王、ブラジル訪問中

2013年 07月 24日

Papa in Brazil

2013年7月22日(月曜日)ブラジルとアルゼンチンは犬猿の仲だと言われて久しいが、両国共に女性リーダーで国民の支持率低下に悩んでおり、 お互いに協力しようとする姿勢が強くなっている。そんな中、アルゼンチン出身の新ローマ法王がブラジルを訪問した。

フランシスコ法王はブエノスアイレスでイタリアからの移民の家庭に生まれ、貧困層の代弁者として知られる。大司教時代も公邸ではなく集合住 宅に住んで、運転手付きのリムジンは使わずにバスで通勤。食事も自分で調理したという。

法王は28日までの1週間のブラジルツアーを開始した。3月の就任以来、イタリア以外への外遊は初めてで、初の中南米出身法王にとって事実上の 「里帰り」でもある。

新しい体制を構築しようとしているカトリック教会は、世界最大のカトリック国で信者が人口の約6割を占めるブラジルを、大きな市場と考えている。変わりつつあるカトリック教会は、ブラジルではプロテスタントに対抗して現代マーケティング手法を導入。質素に生きてきた法王の姿勢を貧民層に拡げ、各地でロック・コンサートを開催し、急激に信者数を伸ばしてきたプロテスタントに対抗しようとしている。

法王の訪問はカトリックの祭典で、2~3年ごとに世界各地で開催される「世界青年の日」大会への出席が目的。ひとつの信仰を持つ青年たちが世界中から集い、出会いを喜ぶ祭典としての要素があるだけではなく、回心に始まり、キリストの受難と復活の神秘を祝う巡礼という意味合いもあり、中南米 各国の若者を中心として100万人以上が参加する見通しである。

(文/加藤元庸)

(写真/EFE)
フランシスコ法王(左)とジウマ(ジルマ)・ルセフ大統領(右)