ブラジル出身のカルロス・サウダーニャ監督が故郷リオを描いたアニメ「ブルー 初めての空へ」

2013年 10月 2日

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©2011 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

映画「ブルー 初めての空へ(原題「RIO」)」の制作は、「アイスエイジ」や、森を腐敗に導く魔王と、緑の森を守るリーフマンたちの闘いを描いた「エピック」などを手掛けたブルースカイ・スタジオ。原題は「RIO(リオ)」。

セルジオ・メンデスが手掛けた主題歌をはじめ音楽もグルーヴィ。曲に合わせて色とりどりの羽をもつ鳥たちが踊るシーンには、興奮させられずにはいられない。熱帯の大自然と共存する都市リオの景観をうっとりするほど美しく描いているのも、この映画のみどころのひとつだ。鳥たちのダンス、リオの景観、いずれも、スクリーンで観てこそ思いっきり楽しめる。

それにしても、アニメとはいえ鳥たちのダンスの動き、グルーヴは実にサンバ的でノリノリだ。それもそのはず、実は本作を手掛けているCarlos Saldanha カルロス・サウダーニャ(サルダーニャ)監督はブラジル人。それも、映画の舞台である、リオの出身なのだ。

つまり本作は、ハリウッドで活躍するカルロス監督がようやく手がけた、故郷を舞台にした映画。監督のリオへの想いが、隅から隅まではじけ、ほとばしっている。

現在、ブルーとジュエル、そして3人の子供たちをめぐる物語を描いた「Rio part2」も制作中で、2014年公開が予定されている。音楽は1作目同様、セルジオ・メンデスが起用されている。

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©2011 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

ところで、同映画の主人公ブルーは、日本ではスミレコンゴウインコの名で知られる絶熱危惧種のarara-azul アララ・アズウ。WWF ブラジルによると、アララ・アズウはアマパ州、バイーア州、ゴイアス州、マラニョン州、ミナスジェライス、マットグロッソドスウ州、マットグロッソ州、パラー州、ピアウィー州、サンパウロ州、トカンチンス州、アマゾナス州の11州でみられるという。絶滅の危機に瀕している原因は狩猟だけでなく、森林伐採による生息地の現象も大きく影響しているそうだ。

アララ・アズウのカップルは仲睦まじく、子供の世話も夫婦が分担して行うという。ペアまたは群れで行動して、夕方になると木に群れで集まり、まるで木は“寮”のようになるとか。

好物は acuriアクリとbocaiúvaボカイウーヴァという2種類の椰子の木になるナッツ。ボカイウーヴァ椰子のナッツは木に実っているものを直接つつくが、アクリ椰子の場合は、家畜や他の動物が地面に落としたものを食べるという。

「ブルー 初めての空へ」
2013年10月5日(土)より、全国イオンシネマにて期間限定上映
監督:カルロス・サルダーニャ(サウダーニャ)「アイス・エイジ」「ロボッツ」
声の出演:ジェシー・アイゼンバーグ(山口勝平)/ アン・ハサウェイ(恒松あゆみ)
製作総指揮:クリス・ウェッジ 
製作:ブルース・アンダーソン / ジョン・C・ドンキン 
音楽:ジョン・パウエル、セルジオ・メンデス 
主題歌:「リアル・イン・リオ」(作詞・作曲:セルジオ・メンデス/歌:タイオ・クルーズ) 
原題:RIO /2011/アメリカ/シネスコサイズ or ビスタ/カラー/5.1ch/ 96 分/
配給:マイシアター

公開情報はイベントカレンダーを参照。

ブラジル関連 イベントカレンダー 2013年10月

(文/麻生雅人、写真協力/プリマ・ステラ、マイシアター)

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