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ブラジルのお盆にアマリウドさんの追悼会とデモが開催される

アマリウドさん死者の日葬儀

11月2日(土)のDia de Finados(死者の日)、ホッシーニャ地区で、7月14日に行方不明となり、警察の拷問で殺害された石工アマリウドさんの親族や友人、NGO団体「Rio de Paz(平和のリオ)」の関係者など約50名が、アマリウドさんに見立てたマネキン人形を用意して抗議行動を行ったと「G1」(電子版)、Agência Brasilなどが伝えた。

「私は今、声をあげます。これからもあげます。アマリウドの遺体に会いたいからです」

アマリウドさんの妻Elizabeth Gomes da Silva エリザベッチ・ゴメス・ダ・シウヴァさんは、遺体の行方が分からないので、死者の日に夫の死を偲んでいるのです、と語った。

メンバーは抗議の横断幕と、アマリウドさんの顔写真のボードを手に、同地区の軍警察治安維持部隊(Unidade de Polícia Pacificadora)、通称UPP(ウー・ペー・ペー)本部前に集結。アマリウドさんを埋葬できるように、遺体を引き渡してくれるよう訴えた。

「自分の家族が殺害され、その遺体がどこにあるかもわからず埋葬できないというのは最悪の状態です。警察官は逮捕されましたが、遺体は帰ってきません。お葬式があげられるように遺骨だけでも返してほしいと願います」(エリザベッチさん)

エリザベッチさんは遺骨が戻ってくるまで抗議を続けるという。

抗議デモを主催したNGO「平和のリオ」の最高責任者Antonio Carlos Costa アントニオ・カルロス・コスタさんは、Agência Brasilの取材に対し「これはアマリウドさんの家族にとっても切実な願いですが、このケースだけの問題ではなく、リオデジャネイロの治安全般に関わる問題です」と語ったという。

社会に差別があるため、20年前には、低所得者の人が死んでも事件として問われることはなかった、とアントニオさんは言う。

「(今こうして声が上がっているのは)新しいブラジルが育まれようとしているからです。普通の人々の生活の安全が、問われているのです」(アントニオさん)

州立人権評議会のメンバーでもありファヴェーラ住民運動の代表William de Oliveiraウィリアン・ヂ・オリヴェイラさんは、リオ州政府に問いかけた。ファヴェーラは落ち着いていると言えるのだろうか、昨日(11月1日)も住民たちは発砲の音で目を覚ましたにもかからわず、と。

「政府は化粧で取り繕った政治を行っているだけだ」(ウィリアンさん)

ウィリアンさんは州に、権利と義務を果たすべきだと問う。

「私たちは警察を差別することを目的としているわけではありません。でも、今のままで満足もしていません。実際、アマリウドさんの遺体はどこにあるかわかりません。アマリウドさんだけでなく、同じような問題を抱えている他の家族に対しても同様です」(ウィリアンさん)

見せかけだけの“治安維持”に、私たちはもう疲れていると、ウィリアンさんはいう。

「治安維持は、確かに私たちの夢でした。でも、住民たちにとって悪夢となってしまった。でもこれは警察官たちが悪いという問題ではなく、彼らと政府との関係性が問題なのです。彼らの上司や指揮官はコロコロ変わりますが、問題は現場でずっと(解決されないまま)続いています。もしかしたら州の治安局長José Mariano Beltrameジョゼー・マリアーノ・ベウトラミを更迭する必要があるのかもしれません。そうすれば新しい発想が生まれるかもしれません」(ウィリアンさん)

また、他のコムニダーヂ(ファヴェーラのコミュニティ)でもUPPに関する問題はあるとウィリアンさんは言う。

「私たちが望んでいるのは、対話です。リスペクトし合って、共に手を携えて問題を解決していこうという姿勢です」(ウィリアンさん)

この日のデモ行進はPSTU (社会労働者統合党)、Central Única dos Trabalhadores (CUT、中央統一労働組合)、 Central Sindical e Popular (CSP Conlutas、中央大衆協会)など政党や組合などの支援を受けたこともあり、政治色も打ち出された。

「何のためにUPPはある!? 殺すため? 死ぬため? カブラウ(リオ州知事)の犬、秘密墓地」という叫び声があげられたという。

アマリウドさんの姪 Michelle Lacerdaミシェリ・ラセルダさんは、ファヴェーラの子どもたちが安全に行き来できる権利も必要だという。

「今現在は安全な政治がありません」(ミシェリさん)

デモ行進は、3台のUPPのオートバイによってエスコートされた。Pricilla de Oliveira Azevedo プリシラ・ヂ・オリヴェイラ・アゼヴェード少佐は、デモが平和的に行われるのであれば行進がUPP本部まで来て行われることを許可して、実際、デモは平和的に行われた。

ファヴェーラは黙っていない、という運動が始まったころから、この10年に1万人がリオのファヴェーラで亡くなっているという。

(文/麻生雅人、写真/Fernando Frazão/Agência Brasil)
写真は11月2日、ホッシーニャのUPP本部前までデモ行進を行ったアマリウド・ヂ・ソウザさんの親族や協力者たち。マネキン人形を使った仮葬儀が行われた。緑の服を着ているのはアマリウドさんの姉妹Maria Eunice Dias マリア・エウニッシ・ヂアスさん

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