ブラジルW杯出場国の選手村誘致争いが熱い!

2013年 11月 17日

イエマンジャー

ブラジルW杯出場各国の選手村の行方が注目されている。11月17日付け「エスタダォン」(電子版)が伝えた。

サンパウロ州はトレーニングセンターの質やインフラ設備によって、2014年W杯で出場する代表の大部分を受け入れる可能性を持っている。

しかしながら、他の州も負けてはいない。

最も注目が集まっているのが、大会でも上位候補筆頭であり、国民にも影響力がある国々である。特に人気があるのは、FIFAランキング1位スペイン、3位アルゼンチン、2位ドイツ、8位オランダなどの強豪国である。

今の所、4カ国が滞在先を決めている。ブラジルはテレゾポリス、アルゼンチンはヴェスパジアーノ(ミナスジェライス州)、ベルギーはモジダスクルーゼス、スイスはグアルジャ。12月6日に行われるグループの抽選次第では、これらの代表国も利便性によって場所を変更する可能性もある。それゆえ、組が決まるまで候補地決定を待つ国もある。どの国もプランBを持っているようだ。

「エスタード」はインタビューや代表が訪問した場所の情報を基に、どこの代表がどこに滞在するかの事前調査を行った。

サンパウロ州は内陸部や中心部を含め10~16の代表を受け入れると予想される。今の感じではW杯優勝国は2カ国止まりになりそうである。

イタリアとイングランドはブラジル同様にリオデジャネイロ州に滞在する可能性が高い。またアルゼンチンはミナスジェライス州を気に入ったようだ。残すはスペインとドイツである。しかし2010年の優勝国スペインは一番の競争率である。

スペインは、ブラジルで最も優れていると考えられるコチアにあるサンパウロのトレーニングセンターを訪問した。しかし、カジュ、アトレチコ・パラナエンシィ、そしてミナスジェライス州のベロオリゾンチと、他の訪問先も気に入ったようだ。現世界チャンピオンを受け入れる戦いはとても競争率が高くどこも力を入れて誘致している。

グループGのシードチームはサルバドール、フォルタレーザ、レシフェで試合を行う事となる。その場合は北東部に滞在するのがベストな選択となるだろう。

バイーア州、セコパの国際関係代表のマルコ・コスタによると、プライアドフォルチとポルトセグーロが有力となると言う。

「口約束をした人は誰もいない。しかし、2ヶ国は来てくれると思っている。実際ボスニアはバイーア州の施設を訪れている」(マルコ氏)

一方、リオグランデドスル州のベント・ゴンサウベスは大会期間中に代表を受け入れる為にかなりの投資をしている。地元市役所は街のインフラ設備の改善に向けて思い切った計画を進め、集客に努めた。また、町起こしの為に、地域のワイン醸造産業を売りにするなど積極的に勧めている。更に、コンカカフ、コッパ・オウロ、 ロンドンオリンピックなどのイベントでこの町の宣伝をしたアメリカのコンサルタント会社と契約をした。

町の観光担当ジウベルト・クリスチアーノ・ドゥランテは、今回の大会の投資額は3億円を予定していると言う。ベントはインフラ整備が整っており、スポーツ向きの町である。ここ10年の間に、同地では15のサッカー合宿が行われている事から、イベントや代表団を受け入れる経験や十先に関しては申し分ないと語る。

11万人の住民がおり、ポルトアレグリから99kmの距離に位置するこの町には、ドイツ、ロシア(2回)、日本、ノルウェー(まだ出場の可能性があった時)、コスタリカの5カ国の代表が既に訪問している。

「私達はロシアと話が進んでいるが全ては抽選次第である。困難な点は南に位置するので大会期間中の気温が2度から10度であるという事である」(ジウベルト観光担当)

一方、エスピリトサント州は3つのトレーニングセンターがあり、ベロオリゾンチ、リオ、サンパウロにも近い利点もある。他にも食やホテルなどの金額が安い事もまた魅力的な点だ。実際、オーストラリアは興味を示している。

各代表の滞在予定地もしくは調査訪問先

ブラジル:テレゾポリス (リオデジャネイロ) に滞在予定
スペイン: カジュ(クリチバ)またはコチア(サンパウロ)またはセッチラゴアス、ベロオリゾンチ(ミナスジェライス)
ドイツ: コリンチャンス(サンパウロ)またはセッチラゴアス(ミナスジェイライス)
イタリア: マンガラチーバ(リオデジャネイロ)
アルゼンチン:ヴェスパジアーノ(ミナスジェライス)
イングランド:リオデジャネイロ(リオデジャネイロ)
エクアドル: ポルトアレグリ、カシアス(リオグランデドスル)
オランダ: ガーヴィア(リオデジャネイロ)
スイス: グアルジャ(サンパウロ)
アメリカ:バーハフンダ(サンパウロ)
日本: イトゥ(サンパウロ)
イラン:ゴイアニア(ゴイアス)またはサンパウロ(サンパウロ)
ベルギー: モジダスクルーゼス(サンパウロ)
ボスニア: バイーア
チリ: クリチバ(パラナ)またはロンドリーナ(パラナ)、カノアス(リオグランデドスル)、ベロオリゾンチ(ミナスジェライス)
コロンビア: アチバイア、 アグアス・ヂ・リンドイア(サンパウロ)
コスタリカ: カシアス(リオグランデドスル)
ホンジュラス: 未定
オーストラリア: サントス(サンパウロ)またはヴィトーリア(エスピリトサント)、またはゴイアニア(ゴイアス)
韓国: カンピーナス、ヒベイラォンプレット(サンパウロ)
ロシア: バイーアまたはリオグランデドスル、サンパウロ

(文/勝田道徳、写真/LatinContent/Getty Images)
バイーア州サルバドール、2012年2月3日。毎年2月2日から行われる、海の女神イエマンジャーに捧げるお祭りにて