ウルグアイのマリファナ合法化をめぐる反応。ブラジルの法務省と保険省、そして国連は...

2013年 12月 14日

マルシャダマコーニャブラジリア

隣国ウルグアイにおける大麻(マリファナ)の生産、消費、販売の合法化法案可決を受けて、ブラジル法務省のジョゼー・エドゥアルド・カルドーゾ大臣は12月11日(水)は、国境の警備に関して改めて対策を講じる必要はないと述べた。同日付け「アジェンシア・ブラジル」が伝えた。

「私たちは常に国境の警備に関して細心の注意を払っているので、隣国が法律を変えようとも私たちの姿勢は変わりません。ウルグアイはウルグアイの道を進み、ブラジルはブラジルの道を進むだけです。お互いを尊重しています。それぞれの国がいろいろ試して、結果が良ければそれでいいのではないでしょうか」(カルドーゾ大臣)

また、保険省のアレシャンドリ・パヂーリャ大臣は、ウルグアイの大麻がブラジルに流入するにせよ、ブラジル人がウルグアイに大麻を買いに行ったにせよ、ブラジルの保険システム自体に変更はないと語ったという。

今ブラジルがすべきことは、保険に関する問題で司法・立法・行政が力を合わせて、薬物使用者やその家族にどのように手を差し伸べるかを考えることだという。

「現在、クラッキの常用で苦しんでいる人や家族をどう助けるかの方が大きな問題です」(パヂーリャ大臣)

また、保健省は医師たちと協力しあってプライマリ・ケア専門医育成プログラム(Provab)を通じて、薬物に対する知識を広めて人々の意識を変えていかなければ
いけないと考えているという。

一方、国連機関である国際麻薬統制委員会は同日、ウルグアイの大麻売買の合法化は国際ルールに矛盾するという考えを示した。1961年に国際条例として採択され、ウルグアイもサインしている「麻薬に関する単一条約」に反しているという。

国際麻薬統制委員会のレイモンド・ヤンス代表は「ウルグアイがこのような方法をとったことを驚いています。ウルグアイの議会は健康への影響の配慮が欠如しています。実験としても、とてももろく安易です」と語ったという。

ウルグアイで可決された大麻合法化法案では、認可された場所で作られること、薬局で販売されること、一般の人たちはひと月に最高40グラムまでの制限があること、宣伝は禁止、などの要素が定められている。

(文/麻生雅人、写真/Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)
写真は2011年にブラジリアで行われたマルシャ・ダ・マコーニャ(マリファナ・マーチ)の模様