ブラジルの空港オーバーホール計画は、投資家には新たなるショック!?

2014年 01月 29日

ガレオン空港2013

ブラジル政府は2014年のワールドカップと2016年のオリンピックに向けて、主要空港ターミナルの改修を急いでいる。しかし、さまざまな問題を抱えたまま、遅々として進まないブラジルの空港整備が、民間投資家に更なるショックを与えていると1月27日付けサンパウロ発「ロイター」が伝えている。

ただでさえ、インフラ 関連の高速道路、道路、港、鉄道プロジェクトで1,000億ドルの資金を調達するのに、ルセフ大統領は未だに苦労しているようだ。空港の民営化を進め、国の5つの大きな空港のコンセッション権を想定額以上に売ったことで成功かと思われたものの、国が予定していた資金を調達できないことにより、法廷闘争や契約改定の話に拍車をかけつつあるという。

契約を履行できない以上、政府はすでに提案しているルールの変更を余儀なくされることになるという。さらに、現在飛んでいる便を倍以上増やしても、空港側でそれを消化できない可能性があることが浮き彫りになってきたとのこと。

また、投資家にとってもっと心配されるのは株価指数だという。ブラジルの株式指数(ボベスパ指数)は昨年16パーセント近くも落ち込んだが、その原因に、世界で最もパフォーマンスが悪い株価指数が挙げられる。そう、このままでは完全に儲からないのだ。

このままいくと、このツケは消費者が払うことになるかもしれない。旅行者は混乱の中での非常に不便な空港利用の下で、高い空港使用料と、高い空港内のサービス料を支払う羽目になるのだろうか?

(文/加藤元庸、写真/Tânia Rêgo/Agência Brasil)
写真は2013年12月5日、リオデジャネイロのアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港。旧名のガレオン国際空港の名で親しまれている。ブラジル観光公社(エンブラツール)によると、2013年に、年間で600万人の観光客がブラジルを訪問したという