フォルクスワーゲンの新車「Up!」は、未来の「フスカ(ビートル)」になるか

2014年 01月 29日

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ブラジルでは自動車の国内販売シェアで1,2を争うフォルクスワーゲン。1956年、ブラジルが国産車国産化を本格的にスタートしたとき世界各国の自動車メーカーがブラジルでの現地生産に乗り出したが、フォードと並び、フォルクスワーゲンは1953年と、早くからブラジルでの国内生産に着手している。同社がブラジルの自動車産業を支え続けてきた企業の一つであることは間違いないだろう。

とりわけ、「Kombi コンビ」(1957年製造開始、2013~2014年製造中止)と「Fusca フスカ」(1959年製造開始、日本ではビートルの名で知られる車)は、ブラジルの生活の中に溶け込み長く愛され続けた。1980年代からはコンパクトカーの「Gol ゴウ」が20年以上も国内シェアで大健闘してきた。

そのフォルクスワーゲンが1月27日(月)、新たなコンパクトカー「Up! アップ」をブラジルで発表した。同日付け「G1」(電子版)が伝えた。マニュアルタイプ、オートマタイプの両方が製造される予定とのこと。

長年親しまれてきた「Gol ゴウ」は、2014年から新車へのエアバッグ搭載が義務付けられる事になったため改良が不可欠だったが、「Up!」はその「Gol ゴウ」にとって代わる定番車となると、目されている。特徴のひとつは大衆的な価格。正式な価格はまだ発表されておらず、2月4日(火)に公表される予定とのことだが、国内で生産されている自動車の中では最も安い価格となる予定だという。

「庶民のための車として生まれてくる『Up!』は、未来のフスカといえます」と「Up!」のチーフデザイナー、ルイス・アベルト・ヴェイガは語る。

マーケティング及び製品マネージャーのエンヒッキ・サンパイオは「『Up!』には直接ライバルと呼べる車はないけれど、強いて言えばフィアット社の『ウノ』に近い」という。また、フォードが発売を予定している「Ka カ」もライバルとなるかもしれないとのこと。

(文/麻生雅人、写真/Volkswagen/Divulgação)