FIFAも公認する最も古い蹴球競技「クジュー」をルーツに持つ、ミャンマーの蹴球競技「チンロン」

2014年 02月 1日

チンロン

TVグローボのスポーツ番組「Esporte Espetacular エスポルチ・エスペタクラール(素晴らしきスポーツ)」の中に設けられる新コーナー「A Bola ア・ボーラ(ザ・ボール)」は、世界各国にある、サッカーのヴァリエーションといえそうなスタイルを持つ、ボールを使ったさまざま競技を5回に渡って紹介する。コーナーのナレーションを務めるのは、シンガーソングライターで、過去に文化大臣を務めたこともあるジウベルト・ジウ(ジルベルト・ジル)だ。

同コーナーで順次紹介されるのは、その美しさの魅了される、ミャンマーの伝統球技「チンロン」、サッカーに似た自転車球技「ラートバル」、東南アジアに伝わる、高度な身体能力が必要な伝統球技「セパタクロー」、サッカーと似て非なる「ゲーリック・フットボール」、先住民族に伝わる、頭だけを使うサッカーに似た競技「ジグナイチ」など。第一回ではミャンマーを中心に南アジアで知られる「チンロン」が登場する。

「チンロン」は大昔から伝わるダンスのような動きをするスポーツで、籐の繊維で作られたボールを使う。この競技の特徴は、美しく行うことを目的としていて競技ではない点だという。その動きはダンスというより武術に近いという。

約1500年の歴史を持ち、ビルマ時代には王族によって演じられていたという。また「チンロン」では、何世紀にも渡る間に、プレイヤーがボールを蹴るスタイルは200以上も編み出されているとか。

そして、この「チンロン」の起源と考えられているのが、FIFAによって、最も古い蹴球球技と認定されている「クジュー」もしくは「ツチュウ」と呼ばれる中国の蹴鞠(けまり)だ。

「クジュー」は6人の選手からなるチーム同士が対戦して、足、ひざ、頭を使ってボールをパスしたり運ぶ。徐々にメンバーは輪の真ん中に行き、自身が創造したダンスを交えたパソロ・フォーマンスを行う同時にプレイヤーたちは、シュートするためにボールをパスするのを助ける。ボールが地面に落ちるとゲームはやり直しになる。日本にも伝わり、蹴鞠となった。

「Esporte Espetacular エスポルチ・エスペタクラール(素晴らしきスポーツ)」の「A Bola(ザ・ボール)」。日本での放送はグローボインターナショナルにて2月2日(日)。

(文/加藤元庸、写真/Globo/Divulgação)
写真はミャンマー、Waso Festivalで行われた「チンロン」の競技