ブラジル北東部のマリファナ事情。「撲滅作戦」編

2014年 02月 23日

マリファナ事情

ブラジル北東部における連邦警察の、マリファナ対策への取り組みについて、ラテンアメリカとカリブ地域のニュースを多言語で発信している「Infosurhoy」2月19日(水)号が伝えている。

連邦警察は、バイーア州北東部とペルナンブッコ州中央にある15の都市がマリファナの生産拠点を持っていると推定して降り、このエリアをポレゴーノ・ダ・マコーニャ(マリファナ多角形)と呼んでいるという。

ブラジルで消費されるマリファナの約10%が、このエリアと、パライバ州、マラニョン州、アマゾナス州、パラー州から調達されているという。

「残りの90%は、南米の最大のマリファナ生産国パラグアイからやってきます」とは、連邦警察のカシウス・ヴァレンチン・バウデリ麻薬取締作戦本部長。

ポレゴーノ・ダ・マコーニャ(マリファナ多角形)ではこの16年の間に、50以上のマリファナ撲滅作戦が遂行されてきたという。連邦警察の計算では、これまでの作戦で2300万本の木が抜かれ、7600トンのドラッグを流通させることを阻止したとのこと。マリファナの木3本ごとに、平均1キロのマリファナが収穫できる計算だという。

密売人は栽培者に対しキロ当たり200ヘアイス(レアル)約8742円が払われていると、栽培地域にあるペルナンブッコ州サウゲイロ署長クリスチアーノ・ヂ・オリヴェイラ・ホッシャはいう。同市ではマリファナはキロあたり500~700ヘアイス(レアル)約2万2000円~約3万1000円に達しているという。

「もし、押収したマリファナ1キロにあたる量が500ヘアイス(レアル)で流通していたら、38億ヘアイス(レアル)約1611億円が密売シンジケートに流れていたでしょう」とホッシャ署長はいう。

2013年には、撲滅作戦によって約300トンのマリファナの供給を阻止され、全国の連邦警察によって220トン以上のドラッグが押収されたという。数字は落ちてきている。

「2008~2010年、約600万本のマリファナの木を(北東部の)干ばつ地帯で壊滅させました。2011~2013年では、約250本でした。この減少は、継続して行われている作戦が効果をあげていることを示しています」(バウデリ本部長)

※1ヘアウ(レアル)=43.711375円で計算。

(文/麻生雅人、写真/Marcello Casal Jr./ABr)
写真は本文にある北東部のものではありません。2013年、ラーゴ・オエスチ地区で連邦警察が押収した約2トンのマリファナ