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毎日がフェスティバル!? ブラジル人と働く日々。

IPCオフィス

部下も社長もブラジル人という、ブラジル人に囲まれた職場で働きはじめて3年目を迎えた。日々、笑わせられることばかりで、時には腹の立つこともあったが、彼らの考え方に感心させられることもある。それどころか、思いっきり感動させられることもたびたびで、日本で働いて、こんなに感情をぶつけあって仕事をする環境というのはなかなか珍しいので、まさに毎日がフェスティバルだ。

そんな日々の中で見聞きした、ブラジルについて思うことなどをこのコラムでは記していこうと思う。多分に独断と偏見に満ちた意見も飛び出すと思うが遠慮せずに言って行こうと思う。

さて、最初の話題は、自分の職場でもある、ブラジル人がほとんどのIPC World(アイピーシー・ワールド)という会社について。この会社はブラジルのTVグローボの日本キー局でもあり、グローボの番組を放送するほか、ニュースや語学、情報番組など、オリジナル番組も制作している。また、雑誌や新聞を発行して、在日ブラジル人、在日フィリピン人向けに、求人情報や、日本での生活情報などを発信している。

オフィスに入って思うのは、社員の働くスペースがでかい。左右も広いが日本でよく見られるオフィスのように、前後左右をギチギチに詰めたりしない。座っている椅子に歩いてぶつかることもまずない。アメリカ合衆国のオフィスも広さの面では快適だったが、狭い東京で、オフィスのひとり当たりの、このスペースの広さはなかなか得られない。

ブラジル人がオフィスの空間にゆとりを持たせるのは、話す時に身振り手振りが大袈裟なのが原因なのか、大きい人が多いからなのか。いずれにしても、身体の小さな日本人にとっては、より快適であることは言うまでもない。

ちなみに、そんなふうに空間では贅沢な環境を実現している割に、経費節減は普通の日本企業並みに煩いので面白い。

ブラジル人と日本人では、働き方にも違いがある。

アイピーシー・ワールドでは、有給は基本、取るものと決まっている。この会社で有給を取らないのは、日本人正社員で、好きで仕事をしている人だけだ。自分の部下も、当然のように有給を取る。よって、エクストラな仕事を頼みたい場合は、事前に充分に計画を練ってから仕事を振らないと、すぐに嫌われるし、余分な予算が必要になることすらある。
日本人なら、万が一のことを考えて有給は保険のようにキープしておくものと考えるが、バンバン使ってしまう。お金の消費の仕方と理屈は変わらない。だから休みも長いと1ヶ月いない時もある。

また、契約社員が多いから、仕事の計画は契約時間内に必ず終わるように考えなければならない。これもダラダラ居残る会社員が多い日本人の会社よりは、ずっと合理的だ。

日本の会社には必ずある、「行き先ボード」なるものがない。

ボードがないのにはいろんな理由があるみたいだが、私としては、これはあってくれた方が助かる。毎回、各部署に確認して何処にいるのか、社員の動きを確認しなければならない。休みも、ボードがないとパッと見て判らないので、他部署のスタッフに至っては、「いないな」と気づいたあとでブラジルに行っていることが判明することすらある。「こんなんでいいのか?」と繰り返し思ってきたが、これは一向に変わらない。

ミーティングの予定は、こちらから何度も確認しないと、まず忘れられている。週頭チェック、前日チェックは当然で、当日チェックもしないといけない。「ごめん、ごめん、忘れてた」が、普通に通用するので、いちいち怒っていたらバカをみる。

彼らがよく言う「Entendi(エンテンジ)」は本来「判りました」という意味だが、今では「判っていない」という意味ぐらいに考えている。

これに慣れてくると、不思議なことに、部下がスケジュールをキチンと覚えててくれただけで嬉しくなる。そして恐ろしいのは、自分も「ごめん、ごめん、忘れてた」と言うようになっていることだ。

加えて、この会社に入ると、皆、太る。差し入れやお土産が配られる頻度が多い上に、番組で紹介する商品の社内での味見、部署間での食品の販売まであったりするからだ。支社から来た社員、ブラジル帰りの社員、出張帰りの社員が次々とお土産を持ってくるし、お客さんや会長の差し入れもあるし、お中元やお歳暮、クリスマスなど、常に甘いものやファッティな食べ物が回ってくる。
裏を返せば、心根の温かい人が多いということだ。日本も同じ習慣はあるが最近は義務感が先立っている人が多い。

そして、美味しいものが回ってくるからつい手がでそうになるが、全部つきあっているととんでもないことになる。会社に入ったときには凄く痩せていた人も、気がつくとボン! と一回り大きくなっている。人生で太ったことが全くなかった私でも、最初の年で3キロ増えてしまった。何だか階段の上り下りで変だなー、と体が重く感じた時には既に遅し。今は会社のチームで行うフットサルにも参加。水泳に通ったり、帰りの駅まで「走る」ことを自ら科して、なんとか凌いでいる。

そんなオフィスだからかどうかは知らないが、おかしな習慣もある。社員たちが、階段の登り降りで時間を計っていつも競争しているのだ。ダイエットの意味もあるのだろうが、大の大人達がタイムを計って、1階から12階にあるオフィスまで階段を駆け上って、ゼイゼイ息を切らしながらオフィスに入ってくる。社長も一緒になって走っている姿は、微笑ましいの一言に尽きる。

(写真/麻生雅人)
写真は2013年、ブラジルフェスティバルで来日したセルジーニョ・グロイズマンとルアン・サンタナを迎えて行われた、ジョニー・ササキが司会を務める番組「アジェンダ・マイス」の収録風景。収録スタジオもオフィスの中にある

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著者紹介

加藤元庸 Motonobu Kato  1980年代後半にインディーズ映画制作会社エンボディメントフィルムズを創設。後にワーナーブラザースで宣伝に関わった後、ロスアンゼルスで多くの映画製作に携わる。 カナダやメキシコでのロケ地経験を通して、ブラジルで日本のCM制作に関わり、ブラジルに魅せられる。「TVグローボ」の日本キー局アイピーシーワールドに参加。リアルなブラジルの慣習と日々闘いながら、新プロジェクト開発部長として勤続中。