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波乱含みで予測が難しいブラジル経済
ブラジル中央銀行の0.5%利上げ発表と今年の経済の行方(3)

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13年6月に地下鉄の運賃値上げがきっかけとなって瞬く間に全国に広がり長期にわたった過去最大規模のデモは、特に開催都市においては警察や軍との激しい衝突もあり、コンフェデレーションカップのブラジル優勝も消し去る勢いだった。

その連鎖はまだ続いており、1月25日にも比較的大規模のデモがサンパウロの中心であるパウリスタ大通りで行われ、ワールドカップ反対を主要なテーマの一つとして叫んでおり、今年のワールドカップの際にも規模はともかくデモが起こることは間違いない。暴徒化したデモ隊が競技場まで雪崩れ込んだとき、開催を継続できるかどうかは難しい判断になりそうだ。

デモの主体が自分の本来の支持層であり、身内(最左派)がそもそもは起こしたデモのため、13年のデモに対する大統領の弱腰の対応を見ているかぎり、一度火が付くと抑えきれない。ワールドカップまでに中間層を納得させ、デモを起こさせない、もしくは起こしても競技に影響を与えない程度に抑え込めるかどうかが、まさに大統領選挙の結果に直結してくるであろう。

13年のデモ以来急激に支持率が下降している現職のジルマ・ルセフ大統領が苦戦するのはもう見えている。現職の強みは、選挙直前にバラマキを行えることであるが、13年のデモを抑えるためにムダな公共投資をしないというカードを切ってしまった。さらに政権発足以降閣僚が次々と汚職で政権を去っており、内外で打てる手が少なくなっている。野党が候補をある程度絞ることができれば政権交代も視野に入ってくる。

長期の労働党政権による汚職政治と貧困層保護に多くの中間層は辟易とし始めている。選挙結果いかんでは海外からの投資を加速、または減速させる可能性があり、ブラジル経済の行方を大きく左右することになろう。

このように、14年のブラジル経済は波乱含みで予測が難しい。約20年間、わずか3人の大統領でGDPが世界最高6位(11年)、自動車販売数が世界第4位まで成長したブラジルにとって、避けては通れない成長過程となる。隣国アルゼンチンでは再びデフォルト(債務不履行)が起こりそうな気配だが、現在のブラジルのファンダメンタルズはしっかりしているので、おそらく連鎖して危機に陥ることはないだろう。

20年前のハイパーインフレや特権階級による政治を知っている世代からすると、確実にブラジルは発展しており、今年は次の段階へ行くためのメルクマールの年となりそうだ。

(文/輿石信男/クォンタム、記事提供/モーニングスター、写真/Fernando Frazão/Agência Brasil)
写真は2014年、リオ市内。1月に続き、2月25日にも比較的大きな抗議デモが起こった。W杯開催の都市開発のあおりで権利に不利益が生じる先住民族もデモに参加

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