フォーブス誌2014年版の世界長者番付でブラジル人が躍進

2014年 03月 12日

casas bahia

3月3日(月)、合衆国の雑誌「フォーブス」で毎年恒例となっている世界長者番付・億万長者ランキングが発表された。

4日付け「UOL」(電子版)が結果を報じている。

アメリカ合衆国は492人、中国は152人、ロシアは111人なので、ブラジルは特別、億万長者が多いというわけではないが近年の成長は目覚ましい。

2013年1月21日にIMFが発表したデータによると2014年の経済成長率が2.3%アップしたブラジルは、ランクインは、昨年の46人から15人増の65人となった。ちなみに10年前は、たったの6人だったという。

ランクインしたブラジル人富豪の多くは株の売却で収入が増大した人が多かった。

ブラジル人のトップは、小売りチェーン、Casas Bahia(カーザス・バイーア)の創業者サムエウ・クレインの息子ミシャエウ・クレイン。2013年12月にクレイン一家は、小売りヴィア・ヴァレージョの持ち株を売却して約20億ヘアイス(レアル)、約872億円を手にしたという。クレイン氏の資産は19億USドル、約1952億円となった。

日本にも進出しているサンタカタリーナ州発祥の電動機メーカーのWEG(ヴェギ)は成長目覚ましいブラジル企業のひとつだが、創業メンバーや家族は早くもランクインした。エゴン・ジョアン・ダ・シウヴァ、ヴェルネル・ヒカルド・ヴォイチ、リリアン・ヴェルニンガウス(ジェラウド・ヴェルニンガスの未亡人)が各々が13億USドル、約1336億円を手にした。2012年末には会社の価値は160億ヘアイス(レアル)、約6979億円だったのが、2013年末には200億ヘアイス(レアル)、約8724億円になった。

医療サービスのRede D’Or(ドール・ネットワーク)の創設者ジョルジ・モウ・フィーリョ、化粧品のO Boticário(オ・ボチカリオ)のミゲウ・クリスネル社長、語学教育サービスのWizard(ウイザード)グループの創設者で、同社を英国のピアソンに20億ヘアイス(レアル)、約872億円で売却したカルロス・マルチンスもランクインしている。

2008年から長者番付の常連だった投資家アイキ・バチスタは、予想通り圏外となった。アイキ氏は現在ふたつの会社が国外企業との間で係争中。食品グローバル企業Marfirg(マルフィルギ)のマルコス・モリーナやシウヴィーナ・サントスもランクから外れた。

グローバル企業関連では、ブラーマやアンタルチカを擁するアンベブ(アンハイザー・ブッシュ・インベブ傘下)のジョルジ・パウロ・レマンが34位で、唯一、50位圏内に入ったブラジル人となった。

ちなみに、ビル・ゲイツは2009年以来ランキング1位に復帰。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグは前年66位だったが21位にランクアップした。

ランクインした日本人は前年の22人から5人増の27人で、トップはソフトバンクの社長、孫正義(42位)、184億ドル(約1.891兆円)となった。

※為替は1ヘアウ(レアル)=43.599321円、1USドル=102.720000円で換算。

(写真・文/麻生雅人)
写真はカーザス・バイーアの企業ロゴが記された会社の旗