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「歌え、マリア(「Canta Maria」)」、DVD発売に

cantamaria

毎年、ブラジル映画祭を主催しているトゥピニキーン・エンターテイメントがアップリンクとのコラボレーションで、同映画祭の人気上映作品をDVD化している。

シネマ・ブラジル・コレクションと題されたこのシリーズで、2008年の「ブラジル映画祭」上映作品「歌え、マリア(「Canta Maria」)」(ブラジル公開は2006年)がDVD化された。3月28日に発売となる。

フランシスコ・ハマーリョ・ジュニオール監督は、自らがメガホンを取ったのは20年ぶりとなるが、脚本家、プロデューサーとしても活躍するベテラン映画人。2010年の「ブラジル映画祭」で上映された「僕のことを話そう (O Contador de Historias)」や、1985年の「蜘蛛女のキス」ではプロデュースを務めている。

映画の舞台は、カンガセイロと呼ばれる野盗集団の中でも、最も恐れられていた実在する盗賊ランピオンが活躍した、1930年代のブラジル北東部。ランピオンとその一味が政府軍の鎮圧部隊に追われ、荒野で血を血で洗う抗争が繰り広げられていた時代だ。

主人公のマリアは、抗争の巻き添えで家族を皆殺しにされて天涯孤独の身となった女性。

マリアは、若い革細工職人のコリオラノと、彼の叔父で馬の調教師のフェリッペが共に暮らす家で生活することに。奔放なマリアをめぐり、男たちは愛と嫉妬に狂わされ、3人での生活は破綻する。肝の座った逞しき女性マリアは、ランピオンが率いる野盗集団に身を投じる…。

日本未公開のブラジル映画の新作を紹介する「ブラジル映画祭」では、ハリウッドに進出してメジャー作品を撮っている監督や、モデルとしても活躍する女優が主演した華やかな作品だけでなく、泥臭く、ブラジルのリアルな社会や歴史を見つめ続ける映像作家たちの作品が紹介されるのが嬉しい。

ブラジル人の映像作家たちが、何に興味を持って、どんな映画を創ろうとしているのか、ブラジル映画事情が非常に良く解るし、ブラジルのことを理解する上でも、とても参考になる。この「歌え、マリア」もまた、然りだ。

か弱い女性らしさと、逞しい女性らしさの両方を合わせ持つ主人公のマリアは、筆者が知る限りの典型的な現代ブラジル女性にも通じる、逞しくも愛らしい女性として描かれている。

盗賊ランピオンは頭の切れる身勝手男、嫉妬に狂うマリアの夫は不器用で一途な男、甥のコリオラノはどうしようもなく優しい男と、マリアの周りには、全く異なるキャラクターの男たちが配される。一体、誰となら彼女は幸せに生きられるのかという、男と女の物語として楽しむこともできる。ブラジル人女性に恋をしてしまった男子諸君は必見の映画!?

また、劇中に出てくるブラジルの自然の映像がとても綺麗で、この時代の街をこだわって再現した美術チームにも賞賛を贈りたい。同じ荒野の景色でも、北アメリカやメキシコのそれとはまったく違うと様子を感じさせてくれる点が嬉しい。

(文/加藤元庸、写真提供/トゥピニキーン・エンターテイメント)
DVD「歌え、マリア」(アップリンク)は3月28日より発売

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