サンバチームの温かさに感じた、在りし日の沖縄の匂い。宮城姉妹のサンバ奮闘記(1)

2014年 03月 19日

宮城姉妹

2014年、リオのカーニバルでは、厳しい競争を勝ち抜いて5人もの日本人ダンサーが晴れ舞台に立った。

2009年に「太鼓」をテーマで優勝したエスコーラ・ヂ・サンバ、サウゲイロに参加している神戸の工藤めぐみさんは、今年も参加してチームの準優勝に貢献した。工藤さんの活躍は日本のサンバ界に与える影響も大きく、後に続く日本人参加者数も増えている。

サンバパレードの中で最も目立つ、スターダンサーともいえるパシスタになれる日本人は数少ないが、それでも志す者たちは、カーニバル前からブラジルに移り住み、オーディションを乗り越え、言葉のなかなか通じない現地チームと関わり、地元の人々と交流しながら、物価の高いブラジルで生活費を節約して練習に明け暮れる。

カーニバル時期のサンバパレードは、リオだけで行われるわけではない。いくつかの都市でにぎやかに行われるが、リオに次ぐ規模といえば、サンパウロだ。

今年は、サンパウロでもパシスタとして活躍した日本人がいた。沖縄県那覇市で50人の生徒たちにサンバを教える、宮城佳代子さんと弥生さん姉妹だ。サンパウロのカーニバルでは、パシスタとしては活躍したの日本人は彼女たちを含めて3人、日系人を含めるともう5~6人増えるという。

宮城姉妹が参加したのはサンパウロのサンバパレードの上位14チームで構成するグルーポ・エスペシアウの所属チーム、「アギア・ジ・オウロ」だ。

彼女達は2010年に打楽器奏者の翁長巳酉(おながみどり)さんのサンバ合宿ツ
アーに参加。その時、ポルトガル語も堪能ではない外国人合宿生を快く受け入れてくれたチームが「アギア・ジ・オウロ」だった。

このサンパウロでの経験が、子供の頃に感じた、古き良き時代の沖縄の懐かしい香りに重なったと宮城姉妹は言う。

一度会ったら誰でもウエルカム、老若男女誰でも参加できる雰囲気をもった「ア
ギア・ジ・オウロ」で、また踊りたいと思った。

姉の佳代子さんは、沖縄の風土に近い匂いをサンバ文化を通して感じ、妹の弥生さんは、これまでいろんなダンスを経験した中で、最も元気が出る踊りがサンバだったという。こうして姉妹は揃ってサンバにのめり込む結果になってしまった。

チームの魅力にすっかり嵌ったふたりは、2012年には、ブラジルへ赴いて改めてダンサーとしてオーディションを受けて見事、合格。パレードに参加したものの、チームの成績は12位に終わった。

そして姉妹は、今年も参加。全力を出し切った後、3月2日の早朝5時ころ、パレードが終わるや否や、ふらふらなまま帰り支度をして帰国便に飛び乗った。

あわただしく帰国した姉妹を待っていたのは、チームがエスペシアウ・リーグで3位に輝いたというニュースだった。

「チーム約4,000人の団結力と、歌と踊りのエネルギーが評価されたのだと聞きました」と、二人とも嬉しそうに語った(つづく)。

<サンバダンス教室とコンサートのお知らせ>

●「宮城サンバダンス教室」
沖縄県那覇市安里2-5-29 ドミール宮城(B1)
アクセス:ゆいレール「安里駅」安里十字路向け徒歩1分
HP:http://okinawa-samba.jimdo.com/レッスン情報/宮城サンバダンス教室/

●アンダギーニャ創立5周年記念「ブラジルサンバダンスコンサート」
~第1部ブラジルダンスコンサート 第2部サンバ歴史紀行~
日時:2014年7月6日(日) 13時30分開場 14時開演
会場:沖縄県男女共同参画センター「てぃるる」 (那覇市西3-11-1)
入場:前売チケット¥2,000 (幼稚園以下のお子様は入場無料)
問合せ:宮城サンバダンス教室 070-5497-3438

(文/加藤元庸、写真提供/宮城佳代子、宮城弥生)