デンギ(デング)熱撲滅に向けて様々な取り組み。バイーア州では遺伝子組み換え「蚊」作戦開始!

2014年 04月 14日

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蚊を媒介とするデング(デンギ)熱が現在、世界的な公衆衛生上の脅威となっているため、ブラジルはデング熱に対抗するため、遺伝子を組み換えた蚊を放出した。4月11日付け「G1」などが報じている。

世界保健機関(WHO)によるとデング熱は、今や世界の人口の40 %が患う可能性のある疾患で、南米の国々では病気や死亡の主な原因となっているという。

そこで、遺伝的にデング熱を媒介するネッタイシマカの数を減らす、人工的に設計された遺伝子を持つネッタイシマカを実験室で作りあげた。「Franken-skeeters」と呼ばれる新たに孵化したネッタイシマカを、実験的にバイーア州のジャコビーナという農業の盛んな町で放出したという。

昨年、ブラジルではワールドカップ2014のための12のホスト都市のうち、3都市で流行したデング熱の140万例が報告された。この病気にかかると最も深刻な場合、デング出血熱で、昏睡状態や死につながる危険性がある。

WHOは過去50年間、世界中のデング熱のケースを調査した結果、今までに30倍までにデング熱患者の数が増加したことがあることを報告している。

デングウイルスは、4つのデングウイルス血清型のいずれかに感染した蚊に刺されることにより感染するとされている。人から人への直接感染ではない。

症状は軽度の発熱から、激しい頭痛、目の奥の痛み、筋肉や関節の痛み、発疹で、高熱を伴うこともある。

デング熱を治療するワクチンは今のところ無いが、患者はしっかり休息をして水分をたくさん飲んで、パラセタモールを使用して熱を下げることが勧められている。感染が疑わしい場合は、さらに合併症を避けるために、すぐに医師の診察を受ける必要性がある。

W杯が始まる6月以降は蚊も少なくなり、デング熱の危険性も下がるとされているが、用心するにこしたことはない。デング熱に関する情報は在サンパウロ領事館で現地情報を得られる。

また、現地ではデングはデンギと発音されることも留意しておくと便利かもしれない。

(国内でのデング熱の問い合わせ先)
○外務省領事局政策課(医療情報)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2850
○外務省海外安全相談センター(国別安全情報等)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902

外務省海外安全ホームページ:http://www.mofa.go.jp/anzen/
ブラジル保健省ホームページ:http://www.saude.gov.br

(文/加藤元庸、写真/Fotos GOVBA)
写真は2011年にバイーア州サルバドール市タンクレード・ネヴィス地区で行われたキャンペーン