生活すべてがブラジルカラー!20年間、4色だけで生活する名物おじさん

2014年 04月 22日

ワールドカップシーズンになるとブラジル国内では、ブラジル代表カラーがあちこちで目立つようになる。

緑色や黄色などの派手なかつらや小道具を身に付けて歩いたり、家の中や職場のデスクの上を飾ったり、世界的に見ても、ブラジル人はサッカーへの情熱が強いようだ。

しかし、そんなぐらいじゃ甘い甘い!! あふれる愛国心ゆえ、ブラジルカラーを極めちゃった1人のおじさんを、4月10日付け「UOL」が紹介している。

彼の名前はNelson Paviotti ネウソン・パヴィオッチさん。サンパウロ州カンピナス市に住む弁護士だ。

ときは20年前の1994年アメリカワールドカップ。もしブラジルが優勝したら、生活のすべてをブラジル国旗の色にする! と彼は自らに誓った。そして、めでたくブラジルは優勝。誓いを守り、彼はブラジルカラーの4色に囲まれた生活をスタートしたという。

ネウソンさんのクローゼットの中は、4色以外の色が全く見当たらない。さらに、ダイニングテーブル、ベッド、家具、オフィスの中までもが緑、黄色、青、白だけ! 家の正面、ガレージにある車も例外ではないので、タクシーやドライバーの目印となっているそうだ。

さらに、彼のこだわりは毎日の食事にまで及ぶ…。

「私はブラジルカラー以外は口にしないよ。エンドウ豆、ジャガイモ、パスタはOK、赤身の肉は魚や鶏肉に置き変えたんだ。チョコレートはホワイトチョコじゃないと食べないよ」

この徹底振りには、ただただ驚きだ。

そんな若干クレイジーな弁護士ネウソンさんは、地元カンピナスのテレビ番組にも出演し、一躍有名人となった。

「残りの人生、私はブラジルカラーしか使わないんだ。自分で買う物も人から貰うプレゼントもね。もう慣れたから難しくないよ。愛国心のおかげで、皆に私のことを知ってもらえたよ」

ネウソンさんは、人々からは愛国者という意味の“Patriota パトリオッタ”、あるいはズバリ、 “Brasil ブラジル” と呼ばれ、 結婚式で花嫁よりも目立ってしまうなどと、この20年間でさまざまな珍エピソードがあるという。お葬式では、皆が泣いて悲しむところへ緑と黄色の服で出席し、とがめられるどころか、彼の存在が皆に幸せをもたらしてくれたと、故人の伴侶に感謝されたんだとか。

また、自ら課した固い誓いのせいで、恥ずかしい思いをしたことも。

ある日、新しい下着を買いに行ったところ、男性用下着にネウソンさんが ”履ける色” は無く、最終的に、女性用の黄色いショーツを買って帰ったという。

そんなネウソンさん、2014年ワールドカップに向けて新しい目標ができたようだ。

まだ内容は発表しないそうだが、そのうちのひとつは、車を改造して “Fusca Neymar ビートル ネイマール” を制作することだと既に明かしている。車内にたくさんの写真を飾って、選手たちの名前を書くのだそうだ。

ワールドカップ期間中、テレビ画面でブラジルカラーのネウソンさんをお見かけする可能性は、おおいにありそうだ。

(文/柳田あや)