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クレジットカード発行数7億枚超。決済額で日本に並ぶブラジル

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ブラジルに初めて来る人に「両替はあまりしなくていいですよ」と言うと、きょとんとした顔をされるが、ブラジルで1日過ごすと納得してくれる。20年前までは最高で年率3000%のハイパーインフレが起き、とても分割払いなど考えられなかった国が、1995年にピタッとハイパーインフレが止まり、それ以来堅調な経済成長によりクレジットカードによる分割払いができるようになると、カード利用が爆発的に広がった。

それまで欲しくても手が届かなかったモノが買えるようになり、消費が急激に伸び、直近の10年でGDP(国内総生産)が3倍に成長したわけだが、影の主役はクレジットカードではないかと思う。それは日本と比較してみるとよくわかる。

まず、13年の日本のGDPは世界第3位で4兆9000億ドル、それに対してブラジルは第7位の2兆2428億ドルで約半分である。日本、ブラジルともに内需はGDPの約6割といわれており、そうすると日本が約3兆ドル(約306兆円)、ブラジルが約1兆3500ドル(約138兆円)となる。

次に、クレジットカードの決済額を比べると、日銀の発表による日本の12-13年のクレジットカード決済額は49兆円であるのに対して、ブラジルクレジットカード・サービス会社協会(Abecs)の見通しではデビットカードも含めた14年の決済額は前年比17.1%増の約1兆レアル(46兆円)に達する見込みで、数年前の日本の決済額規模に並ぼうとしている。これはブラジルの内需の約半分、GDPの5分の1にも達する。

そしてこれを可能にするのが、驚くべきカードの発行枚数だ。ブラジルでは高級店から夜店の屋台まで、至る所でカード決済ができるほど普及しており、日本の12年3月末の発行枚数3億2164万枚(日本クレジット協会)に対して、ブラジルのクレジットカード発行枚数は12年第1四半期に7億枚(Abecs)を超え、軽く日本の倍以上となっている。

治安上、現金を持ち歩くと危ないことも、カード化に拍車をかけたものと思われるが、本当に驚くほど決済用の携帯端末が街中にあふれている。だから、旅行者もクレジットカードを持っていれば、大金を両替する必要はない。

あまりに短期間に伸びた歪みもそろそろ出始めている。ブラジルの有力紙「エスタド・デ・サンパウロ」の14年2月4日付のコラムによると、比較的裕福な層の多いブラジル南部において、約70%がクレジットカードローンを含む債務を抱えており、そのうち債務不履行に陥っている家庭が12年に7.5%だったのが13年には8.8%に増えているとのことである。

いよいよブラジル経済も減速かと思っていたら、同紙3月25日付のブラジル大手金融機関イタウ・ウニバンコ銀行のカード子会社への取材記事で、比較的所得の低いC層、D層、E層といわれる人たちのクレジットカード保有率が10年に50%だったのが、わずか3年で60%にまでアップしたと報じていた。ブラジル経済の底堅さと判断の難しさを思い知らされた。

(文/輿石信男/クォンタム、記事提供/モーニングスター、写真/Arquivo/Agência Brasil)

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