ワールドカップブラジル大会、準備の陰で(1)バイーア州サルバドール市「アートの自覚」プロジェクト

2014年 05月 21日

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マルコス・アントニオ・ゴメスくん(13)は「ここに来て楽器を演奏するのはとても楽しいよ。どんどん練習して、将来は偉大なアーティストになるんだ」と語る。

ワールドカップの期間中、学校は休みになるため、「アートの自覚」では特別授業を考えているが現在のところ予算が足りていないという。

「アートの自覚」を立ち上げたメンバーの何人かは、サルバドール市で24年に渡ってストリートチルドレンたちを支援する「アシェー・プロジェクト」を行っていた人たち。「子どもたちが路上で商売をさせられている状態は、売春やドラッグなど、そのほかの危険にも子どもたちをさらすことに繋がります」と、路上で子どもたちが仕事をすることの危険性を訴える。

同市のシダーヂ・バイシャ地区の中央市場付近でたむろしている子どもたちの一人で、10年以上路上生活をしているという16歳の少年は「暴力に会うのは毎日のこと。犬にもかまれたし、さっきも警官に殴られたところだし、頭の骨を折ったこともある。差別があるんだ。卑怯なことも多いよ」という。

(文/麻生雅人、写真/Antonio Cruz/Agência Brasil)
写真上、ファヴェーラから望むフォンチ・ノヴァ・スタジアム。写真下、「アートの自覚」で楽器を学ぶ子どもたち

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