開幕戦翌日、現地新聞の主役はネイマールとオスカールと日本人!

2014年 06月 17日

現地新聞ワールドカップ

W杯今大会は、地元ブラジルの勝利で幕を開けた。

ネイマールのブラジルをこよなく応援する私としては、ネイマールも2ゴール決め、幸先よいスタートを切れたかと思っているが、ブラジル人にとってはそうでもないみたいだ。

開幕戦の翌日13日(金)早朝に、私はブラジルに着いた。サンパウロで入国審査を行い、すぐにスペイン対ポルトガル戦のあるサルヴァドールへ移動した。

サルヴァドールに着いたのは、午前10時30分ごろ。今回、成田からフランクフルト経由のルフトハンザを利用したのだが、12日(木)に自宅を出たのが早朝7時だったので、実に40時間近く経過したことになる。

さて、ブラジルに着いての楽しみのひとつが、ブラジルの新聞を見ることだ。

私は、サンパウロ時代には、サッカー専門誌の「Lance!(ランシ!)」と大衆紙「Agora(アゴーラ)」を、サルヴァドール時代には、「ランシ」と一般紙「Correio(コヘイオ)」をよく読んでいた。

ただし、私の大好きな「ランシ」はサンパウロとリオのみで発行されている雑誌なので、サルヴァドールで手に入れるのはけっこう難しい。サルヴァドールではリオ版が航空便で送られてくるのだが、バンカ(街のいたるところにあるキオスクのような売店)によって置いてあるところは限られてしまうし、置いてあっても一日2部だけとかになってしまう。自宅近くの馴染みのバンカでは私が愛読していることを知っており、ほぼ毎日手に入れて読んでいた。そのため、今回の滞在でもできる限り現地の新聞でW杯がどのように報道されているか注目したいと思っている。

さて、私が着いたのはブラジルの開幕戦の翌日なので、さすがにすべての新聞でW杯の結果がトップニュースだ。中でも、「アゴーラ」紙の一面はかなりセンセーショナルだった。

「ネイマール、オスカール(オスカー、オスカル)、そして日本人の活躍でブラジルが勝利した(Neymar, Oscar e japones garantem Vitoria do Brasil) 」との見出しで、ネイマールとオスカールと主審の西村さんの3人の写真がでかでかと載っているのだ。

「よくやった、日本人!(Valeu, japones!)」や「アリガトー、ブラジル!(Arigato, Brasil!)」などという見出しも大きく載せている。

タクシー運転手との会話というのも情報の宝庫なのだが、この日サルヴァドールの空港から利用したタクシー運転手との会話でも、この話題で持ちきりだった。新聞を見ただけでは大袈裟だなあ、と思っていたが、実際にこのような会話をすると、改めてブラジル国内での話題性の高さを感じる。

とはいえ、こんなことはサッカーではよくあることなので、ブラジル人たちもその辺はよくわかっており、特にこの判定を咎めることもなく、たまたまブラジルは得してしまったよ、といった感じなのだ。

他のタクシー運転手も言っていたが、開幕戦でのブラジルの出来はよくなかった。あんなパフォーマンスでは、オランダとやったら10-0で負けると言っていた。しかし、そんな彼に「どこが優勝すると思う?」と聞くと、「ブラジル!」と答えるからおもしろい。

皆ブラジルセレソンには何かしら言いたいのだ。そのうえで、やっぱりセレソンに優勝してほしいと思っているのだ。

(写真・文/コウトク)

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

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