ブラジルで最も人口が少ない州! ホライマ州

2014年 07月 13日

ホライマ01

今回はブラジル最北の州、ホライマ州(Roraima)と、州都ボア・ヴィスタ(Boa Vista)についての話題をお届けしたいと思います。

ブラジル北部にあるホライマ州は、サンパウロなど大都市で生活しているブラジル人に話すと、誰もが口をそろえて「行ったこともないし想像もつかない!」と目を丸くして興味を示してくれました。ですが、結論から正直に申し上げると「何もない…」と感じてしまう州でした(笑)。

ア・キロ

ホライマ州は、地理統計院(IBGE)によると人口約48万人(2013年)、面積22.4万km2、一人当たりGDP14.051レアル(2010年)。南部はアマゾナス州、パラー州、北部はベネズエラ、ガイアナに接し、ブラジル最北端に位置する州です。面積の6割をアマゾンの熱帯雨林が覆い、ブラジル国内で最も人口密が低い州とのこと。

ホライマ空港

アマゾナス州のマナウスや隣国のベネズエラや、ガイアナへ通じる幹線道路が建設されるなど、交通網は整備されているそうですが、目立った産業はなく、牧畜・木材・金とスズの生産が主体だそうです。近年は、大豆の生産を推進する計画も進められているようです。

セブラエ

現存する先住民族7のうち3分の1を占めるといわれる部族の保護区があり、鉱山地帯に位置することもあって、開発業者や密売人らの侵入が後を絶たないそうです。

確かになんだか一般的なブラジル特有の穏やかで陽気な街の空気に比べて、他の南米の国のような気配がして、ゆったりとした中にも若干の緊張感が漂う感覚を受けました。

とはいえ大自然には恵まれていて、ガイアナ、ベネズエラとの3国にまたがるテーブル・マウンテン、ホライマ山などは観光地として知られています。空路に関しては、サンパウロやリオデジャネイロといった大都市からの直行便はなく、マナウスやブラジリアからのフライトに限られますが、レアな旅を目指したい方にはうってつけ!?

(写真・文/加藤塁)
写真一番上:シビックセンター広場にあるガリンペイロのモニュメント。鉱物を求めて内陸を探索したガリンペイロ(発掘人)たちがホライマ州の発展に大きく貢献した。
写真上から2番目:「ア・キロ」、「ポル・キロ」などと呼ばれるブラジルではおなじみのスタイルの量売りレストランで食べられる食材も、ブラジルではごく一般的なもの。
写真上から3番目:州都ボア・ヴィスタの空港。小規模ながら設備は整っている。
写真上から4番目:ブラジル各地に支所がある「ブラジル零細・小企業支援サービス(SEBRAE)」。地方都市は中小企業が多いようで、ボア・ヴィスタでもSEBRAEのとても立派な建物が市街地の中心部にたたずんでいる。

著者紹介

加藤塁 Rui Kato

加藤塁 Rui Kato
仕事の都合で2011年~2013年までの二年間、ペルナンブッコ州およびサンパウロ州で過ごす。他の南米諸国に目もくれず、ひたすらブラジル各州の国内旅行に明け暮れ、2年間で26州+1連邦直轄区全てを旅する。

気候・人種・歴史・産業・方言・食文化等が少しずつ違いつつも同じ根を持つブラジルの魅力の虜として、次回駐在時にもより奥地への旅を目論む。
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