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日本マクドナルド、ブラジルから鶏肉を仕入れる方向へ

ブラジル産 鶏肉

日本マクドナルドは、上海の食品加工工場が使用期限切れの鶏肉を加工していたとされる問題を受け、今後、ブラジルからも鶏肉を購入する予定だという。ブラジル現地メディア(「G1」7月29日づけ、電子版)が報じた。

現在、同社の店舗では「チキンマックナゲット」、「チキンクリスプ」など8種類のメニューで中国製の鶏肉を使用していたが、顧客の懸念に対応するため、先週金曜日に中国からの輸入をすべて停止していたという。

その後、タイからの輸入に切り替えていたが、鶏肉を使用したメニューの提供が追いつかなくなる可能性を見越し、同社のサラ・カサノバ社長はブラジルからの輸入も行うと発表。随時切り替えながら、タイとブラジルから鶏肉を仕入れる予定だという。

ブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)によると、ブラジルは「高い病原性を持つ鳥インフルエンザのケースを一度も記録したことがない」。また、駐日ブラジル大使館によると、「ブラジルの畜産ではホルモンなどの使用は国内法で絶対的に禁止」されており、「抗生物質等の使用には、国連食糧農業機関(FAO)の定めるコーデックス食品規格(Codex Alimentarius)を、日本を含む加盟国同等、厳守」している。

日本は鶏肉の輸入の約90%を、そんなブラジル産鶏肉に頼っている。しかし、外食産業を中心に、日本の厳しい規格に合わせて目的別の形にカットされた肉に関しては、中国やタイからの輸入も少なかった。対してブラジルの食肉業界も近年は、日本の市場に合わせて、目的別にカットした肉の供給にも力を入れている。

(文/柳田あや、写真/Jonas Oliveira/AENotícias)
ブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)によると、ブラジルの鶏肉輸出は、2014年5月までの1年間に160万6000トンになり、前年同期比1.4%アップとなった

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