サンパウロに青空市(フェイラ)が誕生してから100年

2014年 08月 26日

パステウンの屋台

青空市では、パステウやさとうきびジュースの屋台もお馴染み。市で働く人や買い物客のお腹を満たしてくれる。

さとうきびビジュースの売店を行っているジョルジ・シンジ・ミヤシロ(60)さんも、家族から受け継いださとうきびジュースの店で働いている。両親はもとより、祖父や祖母、親戚なども、市場で働いている。

48年前、両親が売っていた店を受け継いで果物を売っていたが、やがて自分の店舗をもち、さとうきびジュースの店を始めた。妻のファッチマ・キヨミ・ミヤシロ(51)さんと共に店にでている。

住居はトレメンベーにあり、毎朝、6時半ごろに市にやってくる。

青果を扱う市の店の商人たちは、多くの場合もっと早起きして、近郊の農場などや中央市場などから売るものを仕入れている。

ジョゼー・カルロス・サンターナ(51)さんは、他の人たちと異なる珍しいケースで青空市の商人になった。

8年前、ジョゼーさんは自動車ディーラーとして働いていたが、息子たちが市場で野菜を売っていたことから、自身も自動車ディーラーをやめて市場で働くようになった。

「この仕事はとて楽しいので私は今、幸せです。1日、いろんなひととおしゃべりしながら過ごせますしね」(ジョゼー・カルロス・サンターナさん)

リマォンに住んでいるエヂヴァール・ソアーリス・ダ・シウヴァ(86)さんは経理関連の仕事を定年退職した後、市で働くようになった。

「青空市はとても雰囲気がよく、働くのが楽しいね。人々とのつながりが家族的でとても親密です」

エヂヴァールが魚屋のネウソン・イワモト(51)さんから魚を買うときは、いつもネウソンさんは魚の骨を一本一本抜いてくれるという(次ページへつづく)。

(文/麻生雅人、写真/Cesar Ogata/Secom)
サンパウロ市内の青空市場。青空市場といえば軽食「パステウ」の屋台はつきもの