“ほぼ女性だけの村”にインターネットアクセスが集中。回線が制限される!?

2014年 08月 31日

ノイヴァ・ド・コルデイロ

ほぼ女性だけで生活している現在の村の生活の様子は、テレビグローボの番組「テーハ・ヂ・ミナス」も2013年に紹介している。

女性たちは農業や牧畜、手芸などを行い、自然と共存した生活を行っている。家事も畑仕事も牧畜も、皆で分担して行っている。

「大邸宅での共同生活は助け合いです。誰かが何かをもっていなければ、持っている人が自然に貸してあげます」(ホザリーさん)

「私の夫は都会で生活していますが仕事を失い、この半年収入がありません。今、私は自分のシャンプーすらありません。子どもが熱を出したときはもちろんですが、ここでは日々のことも皆が助けてくれます」とケイラ(23)さんはいう。

村の中心には部屋が13もある大邸宅があり、そこでも37名の大人と10人の子ども(0歳~10歳まで)が生活している。他の住人は、周辺に建てられた35軒の家で暮らしているが、ほとんどが女性である村の住人たちは団体行動をしている。

朝は6時になるとほとんど全員が大邸宅に集まり朝食をとり、皆で畑に出て働き、昼食をとる。自由時間は午後にあるそうだが、皆で積み立てて買った46インチのテレビを見ながら、余暇を皆と共に過ごす人も少なくないという。

フラヴィア・エメヂアット・ヴィエイラさんは「畑での役割、すべきことはみな個々にわかっているので、誰も誰かに命令しませんしリーダーもここにはいません」と語る。

みなで一緒に歌いながら、畑で働く。

「私たちは歌やダンス、演劇が大好きです。働いているときも歌っていると楽しく、仕事もはかどりますからね」(フラヴィアさん)

「たしかに女性だけで農業を行うのは楽なことではありません。炎天下での作業も厳しいですし。でもみなが同じハーモニーと共に作業を行うことで、つらい仕事ではなく、楽しみになるのです。休憩のときも女性だけでコーヒーを飲んだり、騒いだりして楽しいですよ」(マルシア・フェルナンデス・ペレイラさん)

米、マンジョッカ、フェイジョン(豆)、とうもろこし、葉野菜など、農作物は自給自足のために作られてきたが、2010年ごろからコミュニティ外に販売するための作物も作られるようになり、商品としてピーマンが生産されているという。

普段は村の外で暮らしている男性たちの収入は、作物の種や家畜を買うために使われる。また、彼らは、新しい情報や、村では採れない作物などを持ち込む。

男性陣のひとりヴァッセーニ・フェルナンデス・ペレイラさんは、農業に関する新しい技術や知識を村に伝える。

「子どもの頃はこの村で育ったけど、算数も生活の中で自然に覚えたよ。水を運ぶ時、何個の缶でどのくらいの水が運べるか、とかね(笑)」(ヴァッセーニさん)

薪木つくりからその運搬、洗濯など、すべての仕事を女性たちが行う。午後も、多くの女性たちは大邸宅で共に過ごし、休憩時間もなにかすべきことを見つけて、編み物や民芸品を作る。

「私は台所の担当をしていますが、自由時間には畑仕事をしている人たちといっしょにおしゃべりをしながら編み物をしています」(エレーナ・フェルナンデス)

皆で共同で使っているが、大邸宅と畑には所有者がいる。デリーナ・フェルナンデス・ペレイラ(65)さんだ。15人の子どもがいるが配偶者はいない。牧師のアニージオ・ペレイラがこの邸宅に住みつき、宗教を広めた頃からこの館に住んでいる。100年以上昔から伝わる村の歴史をただ一人、語り継ぐことができる人だ。

コミュニティの最も若い世代…子どもたちの教育も、古い邸宅を学校にして、村の中で行っている。

「子どもたちは1歳から16歳までここで過ごすので、この学校で読み書きから学び始めます」(クラウヂア・リマ・ヂ・アウメイダ)

1日中学校にいる子もいれば半日だけくる子もいる。

「私たちが子供のころには、まだこの村は偏見の目で見られていていました。この村は何百年も外の村と接触を絶っていましたし、そのことで根強い差別や偏見があったことは事実です。でも今は偏見もなくなってきましたし、みな楽しく生活しています。もう昔のことは思い出したくありません」(クラウヂア・リマ・ヂ・アウメイダ)

村では週末には、演劇やダンスなどの出し物を行い、皆で楽しんでいる。俳優もすべて村の人で、友人同士や兄弟で作った12のグループが活動しているという。

イベントにはミスコンテストまであり、3歳の少女までが参加する。

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(文/麻生雅人、写真/Terra de Minas/TV Globo)
畑仕事の前に共に朝食をとる女性たち。「テーハ・ヂ・ミナス」は日本ではグローボインターナショナル(スカパー! ch514)で放送中。視聴問い合わせはスカパー!まで