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リオのサンバカーニバルに毎年出演しているダンサー、工藤めぐみさん、「フェスタ・ド・ブラジル」でサンバショー開催

工藤めぐみ

今年も池袋のサンシャインシティにて「フェスタ・ド・ブラジル」が開催される(9/12~23)。期間中は、ライブステージをはじめ、ブラジルサッカーの歴史展、カポエィラの昇段式など、ブラジル文化・芸能を紹介するさまざまなイベントが予定されている。

イベント初日となる12日(金)12:30~には、サンバショーが開催される。出演するのは、本場、リオデジャネイロのサンバカーニバルで活躍しているダンサー、工藤めぐみさんだ。工藤さんに話を伺った。

工藤さんは、リオデジャネイロの、エスコーラ・ジ・サンバと呼ばれる名門サンバ団体のひとつ、サウゲイロに6年連続パシスタとして出場している。

パシスタとはサンバのパレードにおけるソロダンサー。技術に長けていて、チームの中から選び抜かれた花形ダンサーだ。サウゲイロでは30人のパシスタが選ばれるそうだが、工藤さんの外に、ブラジル人以外の外国人は選ばれていないという。

日本の夏には帰国して、神戸や浅草のサンバカーニバルや、北陸のイベントにも出場しているという工藤さん。今年は、日程が重なったため浅草サンバカーニバルには出演できなかった。

「今年は東京ではまだ一度も踊っていないので『フェスタ・ド・ブラジル』で踊るのが楽しみです」(工藤さん)

工藤さんがサンシャインシティにて「フェスタ・ド・ブラジル」に出演することになったきっかけは、サンバ経験のあるイベントのスタッフが工藤さんにトークショーの出演を依頼したことで、その時にショウも行うことになった。

「昨年(2013年)出演させてもらい、とっても気持ち良かった。自分が住んでいるのは神戸なのにも関わらず、わざわざ呼んでもらえたのがとても嬉しい」(工藤さん)

ダンスを見せると同時に、本場のサンバの文化そのものを紹介できることも、工藤さんにとっては嬉しいことだという。

「リオのサンバは、地元に密着した特別な文化。数あるサンバの団体の中でも、いろいろな条件が揃わなければ“エスコーラ・ジ・サンバ”とは名乗れない。日本で暮らしているブラジル人の中でさえ、エスコーラ・ジ・サンバについて皆が知っているわけではない」(工藤さん)
それは着物の着方を知らない日本人が少なくないのと似ているかもしれません。

そんな工藤さんに、多くのブラジル人が「ありがとう」と言う。自分たちの国の文化を好きになって深く理解してくれていることが嬉しいのだろう。

毎年リオデジャネイロを訪ねている工藤さんだが、初めての海外渡航先がブラジルだった。

初めてブラジルを訪ねたときのこと。最初の晩に聞いた爆竹だと思っていた音は、後で銃声だと知った。危険を実感しながら、サンバの練習を続けた。滞在するのも、スラム街(ファヴェーラ)の入口にある決まった場所だという。

夜間に、ファヴェーラの中にあるサンバ団体インペリオ・セハーノの練習に、一人でバスに乗って通うときには、地元のTシャツを着てなるべく地元の人に見えるよう心掛けているという。

そんな工藤さんだが、今年(2014年)1月1日、現地で強盗に襲われた。地面に頭を打ちつけられ、地元ファヴェーラの住人たちに病院に担ぎ込まれて助けられた。

脳しんとうの後遺症で一時、踊ることができなくなったにも関わらず、彼女の中には、怖さよりも、9歳のころから続けてきたサンバを踊れる喜びが雅っていたという。

「独りでチャレンジしていたつもりが、実は気がつかないうちに、周りに支えられていた。リオに居続けることができたのも、皆がいてくれたから」と感謝の気持ちを忘れない。

そんな彼女を、日本に住む両親も陰でサポートし続けている。

工藤さんの母親は衣装デザイナーでもあり、リオに行く時も同行して、彼女の衣装を作るだけでなく、一緒に踊るという。

衣装の品質は母親が守っており、毎年リオには、日本で作った衣裳も5~6着は持っていくという。

リオデジャネイロのカーニバルでは、本番の衣裳はチームから支給されるが、練習やイベントなどのステージで着用する衣裳は自前のものだ。

サンシャインシティのステージでも、今年の新作の衣裳を披露するという。和のテイストを盛り込んだという真珠の衣裳とのこと。そして池袋でも、もしかしたら親子で踊る姿がみられるかもしれない。

「一緒に踊るのは子供の頃から10年以上サンバに関わってきたメンバーばかり。楽しみにしていてください」と自信たっぷりに微笑んだ。

<池袋サンシャインシティ「フェスタ・ド・ブラジル」での工藤さんのステージ>

9月12日(金)
アルパB1噴水広場 12:30~ 
展示ホールA物産展でのステージ 14:30~
ビアガーデンのステージ 16:00~

●工藤めぐみ プロフィール

9歳よりクラシックバレエを基礎にサンバを始める。19歳でダンスインストラクターになると共に、19歳で単身、本場ブラジルへ半年間の修行に出る。

サンバスペシャルチーム、「ポルテーラ」、「トラヂサォン」のオーディ ションに合格し、パシスタ(少数のトップダンサー)としてリオのカー二バルに出場。

大学卒業後の2008年秋、同じくスペシャルチームの中でも人気の高い「サウゲイロ」のパシスタに合格。2009年のカー二バルにて16年ぶりのチーム優勝に貢献するとともに、日本人パシスタとしては初優勝を飾る。

その後、続けて2010年、2011年、2013年とリオのカーニバルにサウゲイロのパシスタとして出場。今年度、2014年のリオのカーニバルではチーム準優勝を果たした。

また、同チームの選抜メンバーで構成されるショーメンバーとしても日本人として唯一活躍中。

帰国時は、活動拠点の神戸にてダンス教室「MEGUサンバダンス 」を主催。神戸のサンバチーム「BLOCO Feijão Preto(ブロコ フェジョンプレット)」のダンサーリーダーを務める。神戸まつり、浅草サンバカーニバルを始め全国のサンバイベントに参加。

サンバコンテスト「サンバフェスタKOBE」では2008年に最優秀賞を獲得。2009年、2010年、2011年、2012年(2013 年は悪天候により中止)、そして今年2014年と続けて最優秀賞を受賞。現在6連覇中である。

プロフェッショナルのダンサーとしても、SMAPドームツアー、山下智久コンサートのサンババックダンサーとして出演している。

●工藤さんの夢
神戸とリオは姉妹都市なので、神戸で育った工藤さんには将来の夢がある。
露出も衣装も派手にアピールする踊りであるサンバは日本でなかなか受け入れられてこなかった。特に実際に踊るダンサーになるのは、日本人女性にとっては大きな壁になっていた。しかし、時代は移り、サンバ自体が普通に受け入れられる様になってきた。サンバをとことんつきつめて躍り続ける彼女には、次の世代に伝えていきたいという熱い思いがある。

連絡先「ブロコ フェジョンプレット」

http://www.feijaopreto.net/index.html

(文/加藤元庸、写真提供/工藤めぐみ氏)

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