黄金の草、カッピンドウラードが切手に!

2014年 09月 18日

カッピンドウラード

ブラジル関連のイベントなどを通じてじわじわと浸透しつつある「黄金の草」、カッピンドウラードと呼ばれる植物を使ったビオジュエリー。

近年は、エシカルファッション関連のイベントでも注目を集めはじめている。

カッピンドウラードは、ブラジルのセハードと呼ばれる地帯全域に広く分布しているそうだが、トカンチンス州のジャラパォン地域に集中して自生している植物だという。

しかし、その名のとおり本当に黄金色に輝くカッピンドウラードのアクセサリーは、初めて見る人は、これが植物だとはにわかには信じがたいかもしれない。

トカンチンス州政府のサイトによると、ジャラパォンは州立公園を含む5つの自然保護区を持つエリア。セハードと呼ばれる一帯とカーチンガと呼ばれる一帯の間にあり、サバンナのように背の低い植物群に覆われていて、場所によっては、滝や、透き通った水を持つ川、急流、大高原、変わった色や形の岩も見られるという。

さて、そんなカッピンドウラードが、ブラジルで初めて切手の図版に採用されたと、現地メディア(「ジョルナウ・ド・ジラソウ」)などが伝えている。

切手は4枚セットで、1枚はブラジルの地図の中でトカンチンス州の位置が示されている。残る3枚は、この植物の収穫、工芸品作りの手作業、完成した工芸品がデザインされている。

カッピンドウラード

カッピンドウラード(黄金の草)と呼ばれるこの植物だが、学名はsyngonanthus nitens。稲のような長ぼそい茎に白い可愛らしい花をつける植物。国立歴史芸術研究院(IPHAN)によると、ホシクサ科の一種で常緑植物とのこと。

金属のような強い輝きを放つ細く柔らかい茎を、地元の女性たちが編んで、かごやかばん、イヤリング、ブレスレット、帽子などの工芸品やアクセサリーを作りあげている。

ほとんどトカンチンス州にしかないカッピンドウラードを使った民芸品は、今ではブラジル全土のみならず世界各国へも届けられている。

カッピンドウラードを使った民芸品の制作は、古よりこの土地の先住民族シェレンチ族から約80年前に伝えられたと考えられている。

それを、同州のマテイロス市から35キロ離れたところにあるカッピンドウラードの里として歴史を育んできたムンブカという村のミウダ夫人が受け継ぎ、それをまた彼女が、この地で暮らす女性たちに伝えているのだという。

カッピンドウラードの工芸技術は代々受け継がれ、今日ではムンブカに加えてポンチ・アウタ、ノーヴォ・アコルド、サンタ・テレーザ、ラゴーア・ド・トカンチンス、そしてサンフェリックス・ド・ジャラパォン市にあるプラッタという村などに伝えられているという。

日本でカッピンドウラードを使った製品を扱う輸入業者はまだ多くはないが、ブラジル関連、エシカルファッション関連のイベントはとりあえず要チェックだ。群馬県大泉町のCasablanca Trading でも扱っている。

(文/麻生雅人、写真提供/Casablanca Trading)
写真はCasablanca Trading(担当/塚本エジソン 0276-55-3284)が扱っているカッピンドウラードを使った装飾品