ブラジルの選挙におけるメディアの存在

2014年 10月 15日

ジウマ大統領支援シュハスコ

このニュースを報道している日本でいえば日刊700万-800万部発行している「読売新聞」「朝日新聞」に相当する日刊紙である「エスタド・デ・サンパウロ」や「フォリャ・デ・サンパウロ」などは、ブラジルでは1紙当たりおおよそ日刊25万-30万部程度である。

地方紙を除けば全紙を合わせても、人口2億人の国で100万部あるかないかで、読む人はわずかである。もちろんテレビニュースでも報道されているが、新聞を読まない層は、総じてテレビで視るのはサッカー、ドラマ、バラエティーが多い。

さらに、現与党労働党のバラマキ政策「ボルサ・ファミリア」が低所得層に非常に響いており、与党はブラジルの総人口の約半分が住む地盤の北部、北東部、中西部で6-7割の票を得ている。

ブラジルでは、直接選挙にも関わらず、日本のように全土に行き渡らせるメディアというのがなかなかないということで、予算を持ち、ニュースに毎日出る与党と違って、野党の選挙活動は大変である。

そんな中で26日は低所得層にも人気のあるシルバ氏を味方につけたネベス候補の逆転勝利は見られるであろうか。

(文/輿石信男/クォンタム、記事提供/モーニングスター、写真/Oswaldo Corneti/Fotos Públicas)
10月14日、サンパウロ市ホーゼベウチ広場。住宅のための闘争運動(MLP)も協力して行われたジウマ候補支援集会。路上でシュハスコも行われた

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