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ブラジル、サンパウロで妊娠7か月の女性がバスの中で出産。運転手や乗客も助け合う

妊娠7カ月の母親が転倒して産が早まり、病院にも間に合わず、遂にはバスの車内で出産した様子を(10月)22日付フォーリャ紙が報じている。

ライラちゃん出生の一大物語は15日の午前3時にさかのぼる。母親のアリアーナ・ド・ナシメントさん(26)は妊娠7カ月で、ピニェイロス川沿いのショッピングセンターのトイレを清掃中に転倒した。

それから1時間後、聖市南部で病院を探してバスで走っている時に出生劇は結末を迎えた。

「トイレの床が濡れていて滑ったの。誰も見てなかったわ」とアリアーナさんは振り返る。彼女は夜勤のショッピングセンター清掃員だった。

彼女は痩せていたので周りの人は妊娠に気付いてなかった。「怖くて自分の母親にも相談できなかったの。母は怒りんぼうだし、もう1人娘もいるし」と言うアリアーナさんは、3歳の娘を抱える未婚の母だった。

転んだ時は痛かったけれど、たいした痛みではなかったので、朝になった時点でアリアーナさんはバスで帰宅した。

痛みはだんだんひどくなり、水を浴びている間だけ、痛みがまぎれた。「シャワーを浴びながら3時間様子を見たけど、やっぱり病院に行くことにしたの」。

向かいに住んでいる母親のルシアーナ・ド・ナシメントさん(46)を呼び、仕事先で転んで痛む事を告げたが、妊娠のことは隠したまま、カンポ・リンポの市立病院へ行くためのバスに乗りこんだ。

「とても気分が悪かった」とアリアーナさんは振り返る。ライラちゃんはもう生まれようとしていた。

ここで一旦、アリアーナさんの一大活劇はさておいて、同じバスに乗り合わせた文学部学生ジェシカ・コスタさん(22)の話をしよう。

ジェシカさんは連邦警察にパスポートを受け取りに行くところだったが、「バスの中で痛みで体をよじらせ、今にも気絶しそうな人がいたの」という。

アリアーナさんは遂に隠し切れず、母に妊娠していることを告げた。乗り合わせた乗客も今まさに子供が生まれようとしている事を知った。満員のバスの中での出産というストーリーはアリアーナさんの頭の中には無かったが、病院はまだ先だ。

「プラカードを『予約車』に取り替えて、赤信号も無視、もうどのバス停にも止まらなかった」と語るのは、運転手のジャイルソン・エスティマさん(45)だ。

途中で救急対応の小さな治療院があったので、ジャイルソンさんはバスを停めて「緊急だ! バスの中に産気づいている女性がいる!」と叫んだ。しかし、治療院のスタッフは対応を断った。

ジャイルソンさんは絶望し、カペリーナのターミナルまで急いだ。

「もう今にも産まれそうだった」とアリアーナさんは語る。

大半の乗客はターミナルで降りたが、件の文学部女学生は違った。彼女はSamalに電話して救急車を要請したが、救急車を待つ時間はないと判断した運転手は、病院まで妊婦を連れて行くことに決めた。

「彼女がとっても恥ずかしそうにしていたから、『さあ、脚を開いて! 赤ちゃんが窒息しちゃうだろ!』と言ったんだ」と語るのは、助けるために乗り込んできたターミナルの監督官のエドソン・マルケスさん(23)だ。

運転手は必死になってバスを走らせたが間に合わず、イタセペリカ通りまで来た時、車中でライラちゃんが生まれた。

「とても自然なお産だったわ、産まれた瞬間は泣けちゃったわ」とジェシカさんは振り返る。

この一大活劇はカンポ・リンポの病院についても終わらなかった。院内には空いたベッドがなく、アリアーナさんと生まれたばかりの赤ん坊は夜の10時まで廊下の簡易ベッドで待たされた。

病院の上層部は2人のための空室がなかった事を認めたが、母子は病院に運ばれた直後の午後5時から9時までは「回復センター」にいて、看護師達が付き添っていたと述べている。

一大活劇はまだ続き、数日後、アリアーナさんが公証役場にライラちゃんの登録に行くと、病院から渡された書類には死産と書いてあり、「役場の人に『ちゃんと生きてますからっ』って言わなければならなかったわ」と振り返る。

病院に戻って書類を作り直してもらい、やっとできたライラちゃんの出生届には、「交通機関内で出産」と記録された。

フォーリャ紙記者がカポン・レドンドの自宅を訪れた21日朝、スヤスヤと寝息を立てているライラちゃんを見ながら、「大きくなったら『貴方が生まれたときはそれは大変だったのよ』と聞かせなきゃ」とアリアーナさんは笑った。

(記事提供/ニッケイ新聞)

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