ブラジル全国選手権、クルゼイロが2連覇

2014年 11月 25日

クルゼイロ

11月23日(日)、ブラジル全国選手権でクルゼイロが見事2連覇を達成した。

ブラジルリーグは、シーズンが年をまたぐヨーロッパとは違い、ほぼ日本と同じ時期5月~12月に行われる。
この週末は、日本とまったく同じ、最後から3節目の試合が行われた。

日本のJリーグでは、天王山ともいえる1位浦和レッズが2位ガンバ大阪に敗れ、優勝を決めることができなかったが、ブラジルでは、首位クルゼイロがホームで見事勝利を飾り、残り2試合を残し、優勝を決めたのだった。

この試合、私は、CS朝日のサッカー中継でTV観戦した。このTV中継は、解説:玉乃淳氏、実況:中村義昭氏によって生放送で行われたのだが、この二人のやり取りが漫才を聞いているようにおもしろかった。玉乃淳氏の解説のおもしろさについては耳にしたことがあったが、実際に聞いてみると、確かに非常におもしろい。大好きなブラジルサッカーを見ながら、サッカー談義が繰り広げられるので、私も混ぜてほしいと思ったぐらいである。

まあ、そんなことはさておき、まずは、好調クルゼイロにどんなメンバーがいるのか、注目した。

私は、日本に戻った2012年6月以降にクルゼイロの試合を見るのは初めてなので、当然のごとく当時とメンバーは一変していた。

先発選手で知っている選手は、国内組の代表の常連だったGKのファビオ、元サントスのCBブルーノ・ホドリゴ、ボランチのエンヒーキ、元コリンチャンスのFWウィリアン、そして、今年W杯終了後の新生ドゥンガの代表に選ばれたMFヒカルド・グラウとFWエヴェルトン・ヒベイロぐらいだった。

一方の対戦相手のゴイアスは、この試合前の時点で12位と、優勝もリベルタドーレス出場権も望めず、また降格の心配もないという何ともモチベーションを保つのが難しい位置にいた。

ゴイアスといえば、一昔前に前園選手が所属していたことと2005年には日系人で10番をつけ活躍していたホドリゴ・タバタの印象が強いが、1部と2部を行ったり来たりであまり強い印象はない。この日のゴイアスの先発選手で知っていたのは、GKのへナンだけだった。

この試合を見ていて、そういえば、このクルゼイロのホーム、ミネイラォンでまったく同じカードを2007年に観に行ったことを思い出した。私は、当時住んでいたサンパウロやサルヴァドール以外にも、時間を見つけて、ブラジル国内のスタジアムにサッカー観戦に訪れたりしていた。懐かしい思い出だ。

さて、この試合、おもしろい試合だった。両者真剣勝負でとても激しい。とてもいい試合を見ることができたと思った。

すごい雨で、グランドコンディションも悪かったが、さすがに優勝が決まる可能性がある試合ということで、観客は超満員だった。それも全面ホームクルゼイロのチームカラーである青色で染まっていた。私が観に行った7年前は相当に空席があったが・・・。

前半早々の13分に、右SBマイキからのクロスを代表メンバーのヒカルド・グラウがきれいに頭で決めてクルゼイロが早くも先制した。しかしその約10分後にゴイアスが同点に追いついた。その後全般的にクルゼイロが押し気味に進めるが、前半を1-1で折り返した。

そして後半17分に、FWウイリアンからのクロスを、これも代表メンバーであるエヴェルトン・ヒベイロが頭で決めて再びリードを奪った。

その後、クルゼイロは、残り10分ぐらいでレアル・マドリッドなどでも活躍したジュリオ・バチスタが途中出場を果たした。

結局、そのまま2-1でクルゼイロが勝ち、見事に優勝、それも2連覇を決めたのだった。

ブラジルリーグは、ここ数年、絶対的な強者がいない状態が続いていたので、連覇となると、2006年から3連覇を果たしたサンパウロ以来の快挙となる。それも、2試合を残して2位のサンパウロに勝ち点差7をつけての優勝決定である。圧勝劇といってもいいだろう。

TV観戦を終えた後、クルゼイロのHPで他にどんな選手がいるか調べてみたら、日本のベガルタ仙台でも活躍しサントスでも活躍したFWボルジェスや、数年前の国内組最高のCBと言われていた当時ヴァスコにいたデデーもいた。残念ながらこの日の試合には出ることがなかったが、二人とも好きな選手だったので、また見てみたいと思ったりした。

今シーズンは優勝も決まってしまったし、あと2節でブラジル全国選手権は終わってしまうが、来年早々には、各州ごとの州選手権が始まる。

これからも、ブラジルサッカーは見逃せないと改めて思わされた。そんなブラジルサッカーを、ぜひ一人でも多くの人に知っていただき、楽しんでもらいたいと思うのである。

(文/コウトク、写真/Jorge from Brazil)
写真はベロオリゾンチ市、クルゼイロ・エスポルチ・クルビの展示

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

コラムの記事一覧へ