ブラジル次期財務相に銀行出身のレビィ氏、財政規律強化を確約

2014年 11月 29日

ジョアキン・レヴィ金融相

[ブラジリア 27日  Reuters ロイター] – ブラジルの(ジウマ・)ルセフ大統領は27日、銀行界出身のジョアキン・レビィ氏の次期財務相指名を確認した。

レビィ氏はバンコ・ブラデスコの幹部を務めた経験があり、財政規律に厳しいと定評がある。同氏は大統領による指名確認を受け、ブラジルはより現実的な財政目標を掲げると述べ、公的財政の強化と連邦予算の透明性向上に注力する姿勢を示した。

レビィ氏は記者団に対し、「現在は危機のさなかにあるわけではないため、向こう数年間の地ならしをすることが重要だ」と指摘。歳出削減を目指し、性急に景気支援措置を打ち出すことはないと言明した。

そのうえで、「ブラジル経済への信頼感を高め、経済成長の回復の基礎を固めるためには、目標を達成することが重要となる」と述べた。

また、民間貯蓄の促進、生産性の向上、経済の均衡化に向けた政策を導入する方針を表明。投資拡大と国内で生産された財の供給拡大に向け、民間部門と協力する姿勢も示した。

レビィ氏はまた、2015年の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字を国内総生産(GDP)の1.2%とするとの目標も提示。2 – 2.5%とするとしていた従来の目標を緩和し、より穏当で透明な財政方針を打ち出した。

2016年と2017年については、同比率を少なくとも2%に戻すことを目指すとした。

サンパウロ株式市場のボベスパ指数は、レビィ氏が大統領による指名確認後の発言を始めた時点で上昇に転じたが、措置を直ちに打ち出すことはないと言明したこと受け、再びマイナス圏に下落。この日は前日終値比377.153ポイント(0.68%)安の5万4721.32で引けた。

レビィ氏の財務相指名は予想通り。ルセフ大統領は就任の具体的な日程は示していない。

*内容を追加します。

(記事提供/Reuters ロイター、写真/ロイター/UESLEI MARCELINO)
11月27日、ブラジルのルセフ大統領は銀行界出身のジョアキン・レビィ氏(写真)の次期財務相指名を確認した