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新内閣の始動と15年のブラジル経済の行方

プラナウト宮

ブラジルも日本も昨年末に内閣が改造され、新年より新しい布陣となった

特にブラジルは、国営石油公社ペトロブラスを中心とした大型汚職事件がきっかけとなり、政治家も今後相当数の起訴が見込まれ、大臣候補を含む予測リストが有力紙「エスタード・デ・サンパウロ」に掲載されたことにより、それらの人を除外した組閣となったため、ガラッとメンバーが変わった。

日本では官僚が施策の多くを決めており、内閣が変わってもあまり政策に違いはないが、ブラジルの場合は180度変わることも珍しくない。特に、今回の新財務大臣は新年早々の所信表明で前大臣の政策を批判するような発言もあり、大きく緊縮財政にかじを切ることを表明している。

15年度の予算案がまだ承認されていない現状の中で、新たに1月5日夜にジョアキン・レヴィ財務相、ネルソン(ネウソン)・バルボーザ企画相、アロイージオ・メルカダンテ(メルカダンチ)官房長官からなる予算審理共同会議にて財政支出抑制案が検討された

連邦政府の経済スタッフの最優先事項は、15年度に基礎的収支黒字目標の国内総生産の1.2%を達成し、国際的信用力を回復することである。

ジルマ・ルセフ政権になってから、一度も黒字目標は達成されていないため、かなり大胆な削減策を実施することになりそうで、何と15年度予算案に計上されている800億レアルの投資についても、3分の1をカットする意向である。

また、各省庁の支出についても、通常であれば予算案が承認されるまでは、差し止め不能な支出以外の経費に関しての月間支出上限は年間予算案の12分の1と設定されているが、それも近日大統領令として発表される予定の財源支出抑制案では、18分の1から20分の1に抑えられる見込み。

日本では到底考えられない大胆な削減というか、荒治療となりそうで、3月までの議会承認を目指している。本来は国家債務がとんでもない額に上る日本政府こそやらなければならないところであろう。

この削減策のなかには、失業保険や給与、年金に関する見直しも含まれており、企業にとってプラスとなる面もありそうだ。削るだけではなく、増税も検討されており、燃料に対する課税を復活させることも予想されている。

これらを受けて、新しい開発商工大臣のアルマンド・モンテイロ氏は、これらのコスト削減策が国の経済成長力を阻害することがないような対策が必要であることを表明している。

財政出動にリミットがあることを理解したうえで、今後、企業が輸出・投資・資金調達をより円滑に簡易に行えるプランを検討しており、税制を簡素化し、海外貿易を積極的に行える仕組みをつくり、メルコスール(南米南部共同市場)、中国、南米のその他の国と関係を深められるようにしたいと述べている。

これらはおおむね従来経済界が政府に求めていた事項であり、本当にこの方向に進めば、企業がビジネスをしやすい環境が整いそうである。具体的な施策内容の発表が待たれるところだ。

(文/輿石信男/クォンタム、記事提供/モーニングスター、写真/José Cruz/Agência Brasi)
写真は2015年1月1日、ブラジリア、プラナウト宮(大統領府)。ジウマ大統領と新閣僚の就任式が行われた

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