金沢市の魅力をポルトガル語で。JICAで来日研修した佐藤さん(日系3世)がサイトを開設

2015年 01月 28日

金沢文化を伝える佐藤さん

JICA日系研修員として昨年(2014年)10月から3カ月間、石川県金沢市を訪れた佐藤フランシスコ紀行さん(58、三世)=サンパウロ市市在住=が、ポルトガル語で金沢を紹介するサイト(www.kanazawa.net.br)を開設した。同市の魅力をポ語圏に伝えようと、張り切っている。

(佐藤さんは)ブラジル漫画協会(ABRADEMI)の創始者の一人で、本や雑誌類の編集・出版、日本文化を紹介するサイトの運営を行う。

漫画による日本史紹介本『História do Japão em Mangá(マンガで読む日本の歴史)』など著書もあり、日本文化の伝承に熱心だ。

研修中は金沢大学国際機構留学生センターに通い、輪島漆塗りや加賀友禅など伝統工芸を体験、同大の授業にも参加して日本文化や歴史研究に取り組んだ。

研修中、ポルトガル語で金沢を紹介するガイドブックやサイトがほとんどないことに気づき、開設を思いついた。サイト開設のニュースは地元の北國新聞でも取り上げられた。

同地で「一番感動したのは雪景色」という佐藤さんは、「雪は見たことがあったけど、大雪は迫力があった」と振り返る。

バブル景気時代に初訪日した時と比べて、「東京はマクドナルドやアメリカのブランド店が減って、すし屋やうどん屋が増えていた。日本人が日本の魅力を再発見し、前より大事にしていて、もっと日本らしくなった。とくに金沢市は伝統を次世代にも伝えようと努力していた」と感想を語った。

こうした体験を詰め込んだサイトはタイトルを『KANAZAWA – Aqui, o Japão e mais Japão(金沢 ここでは日本は、もっと日本的だ)』とした。

「サイトはずっと更新し続けるつもり。ブラジルから日本へ観光に行っても、金沢まで行く人はほとんどいない。良い所だと宣伝しなくては」と意気込んでいる。

(写真・記事提供/ニッケイ新聞)
写真は金沢大で輪島漆塗りを体験する佐藤フランシスコ紀行さん