ブラジル石油公社贈収賄事件捜査、労働者党(PT)会計担当者にも令状

2015年 02月 5日

ジョアン・ヴァッカリ

連邦警察は(2月)5日午前、第9次ラヴァ・ジャット作戦を敢行し、ペトロブラス(ブラジル石油公社、PB)を巡る汚職疑惑<ペトロロン>絡みの逮捕ならびに捜査令状62件に従った取締りを行った。

令状の対象には労働者党(PT)会計のジョアン・ヴァッカリ氏も含まれ、連邦警察に強制連行されての事情聴取後、帰宅を赦された。5日付伯字紙サイトが報じた。

今回の第9次ラヴァ・ジャット作戦で発行された令状のうち、逮捕令状が出たのは4人で、18人が保留令状(警察に強制連行し、事情聴取後に釈放)、40件が家宅捜査や物件押収などの捜査令状となっている。捜査規模はサンパウロ州、リオ州、バイア州、サンタカタリーナ州の4州で、捜査の手は26の企業に及んだ。

第9次作戦はPBサービス部に絡んだ企業や人物が対象で、サンタカタリーナでの令状が計25件と特に多い。逮捕令状が出た4人のうち3人も同州の人物だ。3人は同州のイタジャイーとバルネアーリオ在住の人物で、いずれも5日間拘留の一時逮捕だ。

「G1」サイトによると、一時逮捕の令状が出たのは燃料タンク会社アルクソの共同経営者2人と理事で、同社はペトロブラスの子会社のBRディストリブイドーラとの事業契約を結んでいる。3人のうち2人は5日の午前中に逮捕されたが、もう1人は国外におり、5日午後、帰国と同時に逮捕される見込みだ。

また、逮捕令状が出たもう1人はリオ州在住者で、5日午後3時現在はまだ逮捕されていない。この人物の拘留期間は限定されていない。

今回の捜査で最も注目されるのは、労働者党(PT)会計のジョアン・ヴァッカリ氏にも令状が出たことだ。

同氏は労働者党(PT)へのペトロロン絡みの金を操作していた人物として、10月には名前が挙がっていた。同氏は5日朝、サンパウロ州連警に連行され、事情聴取の後に釈放された。

ラヴァ・ジャット作戦に関しては、民間人がパラナ州連邦地裁、議員などの政治家は連邦最高裁が管轄ということもあり、これまでに令状が出ていたのは企業などの民間人ばかりだったが、ヴァッカリ氏の場合は政党党員でも、議員などではないため今回の捜査対象に入ったようだ。

連邦警察はヴァッカリ氏からの事情聴取で、ペトロロンに関わった企業から労働者党(PT)への資金の流れについて聞く意向だ。連警によると、これらの企業から労働者党(PT)への献金は違法ルートのものも存在するという。今回の捜査はPBサービス部元課長、ペドロ・バルスコ被告らの報償付きの供述に基づいたものだという。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Roosewelt Pinheiro/ABr/Arquivo)
連邦警察に聴取を受けたジョアン・ヴァッカリ・ネト氏