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今後のブラジル経済を左右する注目の3つの人事

エドゥアルド・クーニャ

2月1日よりブラジル連邦議会が始まり、まずは上院・下院議長選挙が行われた。

特に下院は同じ与党でありながら、反ジルマ・ルセフ大統領の急先鋒であるエドゥアルド・クーニャ氏(民主運動党)が出馬し、必死に対立候補を立てて阻止をしようとした政府および労働者党の努力もむなしく、最初の投票で圧勝した。

上院もクーニャ氏と同じ党のレナン・カリェイロス氏が2期連続4度目の当選となった。これにより、政府の国会運営は大変厳しくなることは確実である。

当選後、クーニャ氏は議会・政治の安定は必要だとしながらも、さっそく政府を悩ます法案をできるだけ早く審議する意向を表明している。

ペトロブラス(ブラジル石油公社)を舞台にした政財界を巻き込んだ巨額汚職事件の激震も、まだしばらく収まりそうにない中で、2月3日、ルセフ(ジウマ)大統領は親友でもあるグラッサ・フォステル同社総裁の辞任要望をようやく受け入れた

まだ最終的にはっきりとした数字は出ていないが、汚職事件で約900億円からの損失をペトロブラスに与え、在任中に時価総額が約3分の1に、逆に負債は倍になったことを考えると、遅すぎた辞任といえよう。

大統領は周りを親友で固める傾向にあり、ルセフ氏を大統領に指名したルーラ前大統領の意見もまったく聞かなくなっているようだ。

ペトロブラス総裁の後任人事も、メディアでは前中央銀行総裁やブラジル鉱山大手のヴァーレ前社長など様々な候補者の名前が上がっていたが、2月6日にジルマ大統領は、まったく誰も予想していなかったサプライズ人事を発表した。

51歳の現ブラジル銀行総裁のアウデミール・ベンディーネ(ベンジーニ)氏である。同氏は09年に46歳の若さでブラジル銀行総裁に就任し、同行の建て直しに実績を上げたが、経歴的にブラジル銀行一筋でエネルギー事業の経験は皆無である。

グラッサ総裁の辞任発表とともに約15%上昇したペトロブラスの株価は、ベンティーネ(ベンジーニ)氏の就任発表により8%前後下落してしまった。

最後に、ペトロブラスの後継候補選びの話題にかき消されてしまったが、ユニークな人事もあった。それは、中央銀行の2人の理事に関するものだ。

一人は日系人として2人目の理事となったルイス・アワヅ・ペレイラ・デ(ジ)・シルヴァ(シウヴァ)氏。アワヅ氏は南米銀行の創始者の一人である粟津金六氏の孫にあたり、ソルボンヌ大学で経済学博士を取得後、世界銀行、国際協力銀行(JBIC)、ブラジル財務省などに勤務した後、中央銀行の国際関係理事に就任していたが、今回はさらに重要なポストである経済政策担当理事に就任した。

もう一人はトミー・ヴァルポン氏で、野村証券(ニューヨーク)で新興国市場調査チーフとして、つい最近まで働いていた。日本に縁の深い二人が中央銀行の中枢部で今後のブラジル経済の行方に影響を与えることになる。

(文/輿石信男/クォンタム、記事提供/モーニングスター、写真/Rodolfo Stuckert/Câmara dos Deputados)
写真は2月5日、ブラジル石油公社に関する議会査問委員会創設の決議を読み上げるエドゥアルド・クーニャ下院議長。賛成182、反対171で創設が決まった

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