エリス・ヘジーナよ永遠に。生誕70周年で公式サイト開設される。伝記本、映画、記念コンサートなど企画も続々

2015年 03月 18日

エリス・ヘジーナ

今月(3月)17日、ブラジルが生んだ最大の女性歌手のひとり、今は亡きエリス・レジーナ(ヘジーナ)が生誕70周年を迎えた。

それを記念してこの日、彼女に関する初の公式サイトが開設され、最新伝記本も発売された。その後も彼女に捧げる記念行事が目白押しだ。

まず公式サイト(http://www.elisregina.com.br/index.php)の方だが、これはエリスのことを知りたい人にはたまらない、彼女についてのあらゆる情報が紹介されたものとなっている。

ページを開いている間中、彼女の曲が必ず流れ、彼女の一生の年表や発表されたあらゆるレコード、CD、約500枚に上る生前の貴重な写真、生前エリスと親しかった関係者のインタビュー動画、関連イベントのお知らせなど、情報満載だ。特に関係者インタビューの中にはジルベルト・ジルやミルトン・ナシメントなどの大物歌手の姿もあり、豪華だ。

また、この日にジャーナリストのジュリオ・マリア氏の手になる伝記本「ナーダ・セラー・コモ・アンテス」が発売された。エリスの伝記といえば、死後3年後に発表された「フラコン(フラカォン)・エリス(「台風エリス」)」が有名だが、こちらが遺族に悪印象が残る苦いものとなったのに対し、今回は目を通したエリスの子供たちから変更の苦情が一切あがらなかったという。

今回の伝記は、4年間かけて行った、エリスの若い頃を知っている知人への取材をもととしており、薬物中毒など自暴自棄だった側面に触れつつも、歌手としての名声がどんなに上がろうとも消えることのなかった孤独感を中心に描いている。フォーリャ紙の書評も三ツ星(最高)と良い。

また、エリスの自伝映画製作の話も、ブラジル映画界最大手のグローボ・フィルムスで進行中で、2016年には公開の目処をつけるとのことだ。ウゴ・プラッタ監督は誰がエリスを演じるのかを明かしていないが、ストーリーは1964年3月31日、くしくも軍によるジョアン・グラール大統領へのクーデターと同じ日になってしまった、故郷ポルト・アレグレからリオへの上京から、命日の82年1月19日までを描いたものになるという。

また、「エリス、70アノス」と題された生誕70周年記念コンサートも、5月23、24日の2日間にわたり、サンパウロ市北部のアニェンビ・パレスで行われる。このショーには、エリスに代表曲の提供を行なったことでも有名な歌手のファギネルやジョアン・ボスコなどの出演が決まっている(17日付フォーリャ紙より)。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Robson Fernandjes/LIGASP/Fotos Públicas)
2015年、サンパウロのサンバカーニバルでサンバ団体ヴァイ-ヴァイはエリス・ヘジーナに捧げる行進を行った