15年後、世界中の貯水量は総需要の60%に満たない!?「世界水デー」を前に国連が発表

2015年 03月 23日

水不足で水を求める農夫

TVグローボが3月20日、報道番組「ジョルナウ・ナシオナウ」で伝えたところによると、国連が、今後15年間で世界中の貯水量は40%不足するという調査結果を発表したという。

3月22日(日)の「世界水の日」を前に国連の報告書は悲観的な見通しを示した。

報告書は、世界中で7億5千万人分の飲料水の確保ができていないことを示した。このまま手を打たなければ地球は水不足に陥り、2030年には需要量に対して40%不足する。現在ほど水を工業や発電、農業に使用されていたことはなかったという。

2050年には、現在最も水を消費している農業に関しては60%増産が求められる。調査結果はまた、水を大量に消費する水力発電をもっと太陽光や風力などへの切り替えが必要であることを思い起こさせている。

調査報告書はブラジルの状況にも触れている。リオデジャネイロで進行中の、天然資源の保全に適した小規模な営農を奨励する「リオ・フラウ」プログラムを取り上げている。

南東部で水不足、北部で水害・・・ブラジルは現在、両極端の問題を抱えている。ユネスコによれば、ブラジルそして世界は水の管理の優先順位を高めるべきだという。経済的な発展と自然資源の保全の折り合いをつけることが重要だ。

「ブラジルは成熟した水の管理システムがあります。細かい施策はいろいろと必要ですが、いずれにしても、世界レベルでもっともっとやるべきことはたくさんあります」(ユネスコ自然科学コーディネイター、アリ・メルグリャゥンさん)

(文/余田庸子、写真/Fernando Frazão/Agência Brasil (02/03/2015))
写真はセアラー州アスージ・セドロの村で農業を営むフランシスコ・エウゾ・ダ・シウヴァさん(68)、通称シコ・プレット。水を探して歩き回る