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ペトロブラス贈収賄事件、ブラジルに進出する日本企業の業績にも影響

ペトロブラス贈収賄

ブラジルに進出する日系企業が、続々と大苦戦を強いられている。特に昨年後半からペトロブラス収賄疑惑(以下、PB疑惑)捜査が進展し、日系の関連企業も直接間接に巻き込まれている。

日本での報道よれば、キリンホールディングスはブラジル社の業績不振が影響して本社の社長交代まで、再進出したばかりのIHIは汚職捜査絡みでペトロブラスの資金が止まり受注残約200億円で中止状態、東洋エンジニアリングも収益悪化のリスクにさらされているという。

「日刊工業新聞」3月20日付電子版によれば、東洋エンジニアリングは「ブラジル国営石油会社のペトロブラスの汚職事件の影響により、現地の石油化学コンプレックス向け設備工事で支払いの遅延が発生。担当役員は事態が収束するまで常駐し、案件の進行管理や情報収集を徹底する。同社はブラジルで3件の洋上原油処理設備の建設も進行中。工事遅延に伴うコスト増など、さらなる収益悪化のリスクをはらむ」としている。

2014年11月3日付け「オ・グローボ」紙電子版によれば、同社が出資するブラジル合弁会社のトーヨー・セタウ・エンプレエンジメントス(TSE)は、PB疑惑でまっさきに報償付き供述(司法取引)に応じた企業だ。

リオ石油化学複合施設建設に11億レアル、ミナス州ウベラーバ施設に20億レアルなど多くの契約を持っていると報じられている。

同様に、「日刊工業新聞」2月24日付電子版では「IHIは出資先であるブラジル・アトランチコスル造船所(EAS)向けの海洋浮体構造物の製造を中断した。IHIは愛知工場(愛知県知多市)で、EASがブラジル国営石油会社ペトロブラスから受注したドリルシップ(掘削船)の居住区や船殻ブロック建造を手がけている。進捗率40%で建造をほぼ止めた。受注残の契約総額は約200億円にのぼるという」と報じた。

ジャパン・マリンユナイティッド社サイト広報資料(13年6月12日付)によれば、同社とIHI、日揮は共同で特別目的会社を設立し、EASに出資していた。

それ以外にキリンHDに関して、「ビジネスジャーナル」電子版昨年9月19日付”「ババをつかまされた」ブラジル大手の買収”という見出しで、「スキンカリオールを完全子会社にするのに総額3千億円を投じたことになる。当初の計画より買収額は1千億円膨らんだ」と報じた。

「東洋経済」電子版昨年12月23日付「落ち目のキリン、社長交代で立ち直れるか」記事で、このタイミングで社長交代を決めた理由の一つに「ブラジル事業の再成長」が挙げられている。

ブラジル日本商工会議所平田藤義事務局長は、「私は40年に渡り、ブラジルへ進出する日系企業を見てきた。過去には今よりもっとリスクの高い場面があったが、日系企業はそのたびに乗り越えてきた。進出する企業には短絡的な利益を考えず、長期的な転換を狙った上で、多くが進出してくれる事を期待する」と意見を話す。

またペトロブラスの汚職事件が影響するサンパウロの大規模デモに関しても、「ブラジルに民主主義が定着している証明になっている。世界に対してもそうインパクトを持ってもらえれば」と前向きに捉えている。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Tânia Rêgo/Agência Brasil)
ペトロブラス贈収賄事件を受け、リオデジャネイロの同社本社前ではたびたび抗議行動がおこっている。写真は2013年10月に行われた抗議行動

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