リオデジャネイロで犬肉パステウ店みつかる。従業員への奴隷労働で摘発され発覚

2015年 04月 20日

犬肉パステウ店

検察官によると、今回、中国人従業員たちが発見された場所は恐ろしく劣悪な環境の場所だったという。

「私の人生で最悪の1週間でした。本当に酷い場所、人間にとっては最悪の環境です。彼らが毎日拷問されていたことを知って非常に憤りを覚えます」と、同氏は嘆いた。

MPTは、ブラジルに中国人店員を連れてきていたギャングからの攻撃を考慮し、被害者の少年を証人保護プログラムに入れたという。

そして、このパステラリーアの店主は、労働法で保証される権利を満たさない奴隷のような環境の強制、救助の放棄や拷問罪によって、2013年に逮捕されている。

また、他の二つのパステラリーアもMPTの調査の対象となった。4人の中国人が無給での労働を強いられていたが、いずれも体罰の被害は無かったという。

検察によると、この中国人たちは空港で拾われ、他人との接点がないパステラリーアに運ばれていたという。

奴隷のような労働環境から救出された被害者の中には、未成年もいたという。この少年はブラジルに残し、中国に送り返すべきではないと記事は言う。

「我々は、彼にこの先何が起こるのか分かりません。彼は死の危険にさらされる可能性があります」と前述の検察官は述べたという。

さらには、現地の言語を知らないという事実が、脆弱な状況に彼らを置いてしまうと警告している。

「彼らは我々の言葉を話さないことに加え、入国書類をすべて取り上げられていました。彼らは空港で観光客として入国し、何者かが彼らを捕まえ店に連れて行くのです」

犬肉に奴隷労働・・・。そんな話を聞くと、筆者が以前にリオで食べたパステウ、あれは果たして牛肉だったのか!? と不安がよぎる。今回の摘発により、健全なパステラリーアまで疑われるのは気の毒だ。

小腹が空いた時に片手で気軽に食べられる、ブラジルの街歩きには欠かせないアイテムのひとつパステウ。一刻も早い信頼回復を願いたい。

(文/柳田あや、写真/Divulgação/MPT)
写真は摘発されたパラーダ・ダ・ルカス、被害者の従業員が拘束されていた部屋

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