不況下のブラジル自動車業界で、ホンダ、トヨタ、日産の日系3社は売上伸ばす

2015年 04月 22日

ホンダ新工場

2014年来、販売縮小で在庫が増え、生産調整や雇用問題も噴出しているブラジルの自動車業界で、3交代で24時間操業している企業や第1四半期も売り上げを伸ばしている企業があると20日付「エスタード」紙が報じた。

ブラジルの自動車業界は2015年に入ってから既に3600人を解雇しており、その大半は自首退職者だ。昨年の解雇者は1万2500人で、自動車部品業界も昨年、2万5000人を解雇した。

これに逆行するのは韓国の現代(ヒュンダイ)だ。

同社ピラシカバ工場では2014年と同じ18万台生産を目指し、3交代24時間操業を維持している。14年第1四半期の同社のシェアは6.6%だったが、2015年は現地生産のHB20の3万7200台を中心に4万8400台を売り上げ、シェアを7.5%に伸ばした。

同工場従業員は2700人で、工場周辺にある部品供給会社9社の従業員は2300人いる。

第1四半期のHB20の売り上げは昨年同期比2.4%減、乗用車と軽商用車の売り上げも5%減だが、業界全体の乗用車と軽商用車の売り上げは16.2%落ちているため、同社では妥当な線と見ている。

他方、そのような状況下で売り下げを伸ばしたのがホンダ、トヨタ、日産の日系3社で、12.5%、12.4%、3.4%の伸びを記録した。

17日付「エスタード」紙によれば、2014年4月16日にリオ州ヘゼンジ(レゼンデ)に新工場を開設した日産のフランソワ・ドッサ社長は同工場1周年を記念し、ブラジルの車の販売数が年300万台から100万台に落ちたりしない限り、解雇はないと明言している。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Du Amorim/A2D)
写真は4月17日。サンパウロ州イチラピーナ市に設立されたホンダの新四輪車工場を訪問したジェラウド・アウキミン州知事(右から3人目)