人気バンド「パット・フー」、高井フェルナンダ独占インタビュー(「ニッケイ新聞」)。家族の秘密を語る(下)

2015年 04月 24日

そんな彼女のバンド「パット・フー」のレパートリーには、日本語の曲もある。日本が敗戦を乗り越え、高品質な商品で世界を席巻する様子を描いた「Made in Japan」という曲は、国外でも親しまれるヒット曲の一つになった。

アルバムの表紙にも、日本の写真家の作品をアレンジして使うなど、日本的要素を散りばめている。そのことがパット・フーの独自性の一部を形成しているようだ。

日本文化への純粋な関心、先祖の故郷への憧れ―。たとえ日本語ができなくても、ある程度の日本人的な特質は知らず知らずの内に継承されるようだ。

その後も3度訪日し、東京、名古屋、浜松、豊橋などブラジル人集住地区を中心にライブを実施。彼女が敬愛する日本の人気バンド「ピチカート・ファイヴ」の3代目ボーカル野宮真貴さんとも交流が始まり、09年にはアルバム『Maki Takai no Jetlag』も共作した。

08年の移民百周年ではアニェンビー会議場での記念週間のトリを飾るコンサートもやった。現在も在サンパウロ総領事館の依頼に応え、日ブラジル国交樹立120周年を記念した曲を二人で制作中だ。

母親譲りの西洋的な顔に満面の笑みを浮かべると「年末までには発表できそう」と意気込んだ。

(文/児島阿佐美、写真・記事提供/ニッケイ新聞)

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