「ネイマールは代表キャプテンに相応しくない」とカフーが発言

2015年 07月 15日

コパアメリカ2015

7月13日(月)、ブラジルのテレビ番組「ベン・アミーゴス」でネイマールのキャプテンシー能力が議題となり、歴代代表キャプテン経験者が意見を述べ合った。

番組に参加したのは、優勝トロフィーを掲げた経験を持つ、1970年W杯キャプテンのカルロス・アウベルト・トーレスと2002年W杯キャプテンのカフー。

ブラジル代表として150試合に出場経験を持つカフーが、キャプテンになる条件を次のように述べた。

「継続的に試合に出て、練習して、グループ内でリーダーシップを発揮しないといけない」(カフー)

それに付け加えて、ネイマールの持つテクニックは申し分ないと述べながらも、ピッチ内で彼がキャプテンとしての素質はないと発言した。

「10年間、ネイマールのような高いテクニックを持った選手が出てきていない。代表にとって重要な選手だ。しかしキャプテンに相応しいかと問われると、自分の観点からすれば、現在の彼はリーダーの素質はない。(ネイマールは)サッカーだけに没頭すればいいと思う」(カフー)

またカフーは、クラッキが必ずしもキャプテンである必要がないことにも言及した。

「キャプテンでなくとも特に支障はないはずだ。これまで代表のクラッキと呼ばれた選手達でさえもキャプテン経験はない。ペレがいい例だ」(カフー)

ブラジルが3度目の優勝を果たしたときのチームキャプテンのカルロス・アウベルト・トーレスもカフーの発言に賛成しながら、次のように述べた。

「今まで彼がキャプテンではなかった試合では行儀よく、自由にプレイしていた。キャプテンになってからはコパ・アメリカのような卑劣な行為をするようになった。(キャプテンであることが)負担になっているではないかと思う」(カルロス・アウベルト・トーレス)

番組内で視聴者からのツイッターによる投票も表示され、ネイマールがキャプテンであるべきかの問いに、約80%が反対という結果が出た。

キャプテンは責任重大なポスト。ピッチ内外でチームをまとめたり、監督の指示を素早く理解して仲間に伝えるという役割も担う。場合によってはチームの不満を監督やコーチ陣に伝えることもあるので、立場としては忙しくなってしまう。

筆者もカフーの発言に賛同する。存在感があり、ベテランの選手がキャプテンになるべきではなかろうか。ネイマールにはまだ荷が重過ぎる。彼を任命したドゥンガ監督は、94年W杯でキャプテンを経験している。ネイマールにキャプテンの素質がある判断した要素は何だったのか、疑問に思う。

(文/Masao Asano、写真/Rafael RIbeiro/CBF)
写真は6月14日、コパアメリカ、対ペルー戦のブラジル代表