7月18日(土)夜、サンパウロのDJ、トラックメイカー、DJマコがプレイ。代々木、五反田のフェスティバルのアフターは渋谷へ!

2015年 07月 18日

DJマコ

代々木公園で「第10回ブラジルフェスティバル」、五反田駅前で「五反田オーシャン祭」が開催され、東京都現代美術館では「オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男」がスタートする7月18日(土)。

“ブラジル祭”ともいえるこの日の夜を、サンパウロから来日中のDJマコ(MAKÔ)がグルーヴィなブラジル音楽で彩ってくれる!

現在、ソロでDJ、ビートメイカーとして活躍しつつ、オルデン・ナトゥラウというヒップホップ・クルーの一員としても活動しているDJマコことヴィトール・マコトは、サンパウロ生まれの日系2世男子。

99年ごろ初めて日本をたずね、2か月だけ日本で働いたことがあるという。しかしこの期間は叔父の家に滞在して働きづくめだったため、日本のことを知る機会がなかった。

「僕の父は1世で、15歳でブラジルに渡りました。僕はブラジルで生まれたけど、今日、日本でDJをする。僕にとっては、特別な意味を持っています」

ヒップホップの文化に接したのは学生時代だった90年代。当初はブレイクダンスやスケートボードに熱中していて、同時にヒップホップを聴くようになったという。当時は、80年代から活動していたヒップホップクルー、RZO(エヒゼーオー)の音楽をよく聴いていたという。その後、DJ、トラックメイカーとして活動を始めるようになった。

女性ラッパー、ルヂス・ダ・ルースのトラックメイカーとしても活躍していた。

ところで、ひとことでヒップホップといっても、ブラジルにもさまざまなタイプのヒップホップがある。

DJマコが在籍するオルデン・ナトゥラウや、彼がかつて在籍していたスビソロは、ジャズやソウル、ファンクなどの影響も色濃い、グローバルなセンスを持ったクールなサウンドを聴かせるクルーだ。リリックも、犯罪や警察との抗争ではなく、都市生活者の視点で語られる内省的なものが多い。

「僕が聴いて育ったRZOやハシオナイスMC’sなど、サンパウロにおけるヒップホップの先駆的なグループたちは、ファヴェーラの文化を背景に持っていて、歌詞も警察のこと、地域コミュニティに関わる社会的な問題が多い。凄く影響も受けたし、かけがえのない存在だけど、自分たちがラップをしたりサウンドで表現をする側になったとき、僕たちにとってそれはリアルな世界ではない。自分たちの人生や生活を見つめたもの、感情についてリリックや音で表現している」

スビソロの前身ともいえる伝説のクルー、キント・アンダールの元メンバー(カマウ、シャウリン)、エロ・ダ・コヘンチなどとも交流が深い。彼らの活動はアンダーグラウンドかもしれないが、皆、真摯に音楽に向かい合っている連中ばかりだ。

「どうしても音楽そのもののことしか考えないからセールスには結び付かないかもしれない(笑)。オルデン・ナトゥラウも、僕たちは音楽そのものを聴いて欲しくて、ただ、匿名的な存在でありたい。そう思ってCDのジャケットには、グループ名もタイトルも書いていないんだ。お店の人には、『どうやって売ればいいんだ』って嫌がられるけど(笑)」

彼らがリリックとサウンドで紡ぐ世界は、日本の都市生活者にもリアルに響くはずだ。サウンドはこちらで聴ける(https://soundcloud.com/djmakosp/eusoudaqui)。

そんな活動を行っているDJマコのDJが今夜、渋谷で聴ける。

ESSA MÚSICA E A VERA
会場:渋谷 Bar Music
渋谷区道玄坂1-6-7-5F
開催時間:20:00~2:00
DJ:OSUMI(LivingRoom)、山田創、Ryosuke Yoshimura(MusicaLocomundo Novo)
Guest DJ:DJ MAKÔ(from São Paulo、 Brasil)
電話:03.6416.3307
※Music Charge ¥300
http://barmusic-coffee.blogspot.jp/

(写真・文/麻生雅人)