ブラジルでは、国民の1%未満が国全体の富の約30%を独占!?

2015年 08月 2日

大富豪のボーイング747

<ブラジルの超富裕層>

連邦国税庁が発表したデータ表では、課税・非課税を問わず受け取る所得と資産の合計額に基づき、国民は11の階層に分けられている。各所得層に属する納税者の人数も下記のサイト(ポルトガル語)から入手できる。

http://idg.receita.fazenda.gov.br/dados/receitadata/estudos-e-tributarios-e-aduaneiros/estudos-e-estatisticas/11-08-2014-grandes-numeros-dirpf/grandes-numeros-dirpf-capa

<ピラミッドの頂点における変動>

2013年度において頂点部分の人口は減少したものの、国税庁発表のデータからはこの層の納税者が比較的安定して富を保有し続けていることがわかる。2007年においては6万6千人が最低月額賃金の160倍の収入を得ていたが、この層は全国民の収入の15.8%、全国民の資産の22.2%を有している。

さらにデータは収入が上の層ほど所得と照らして納税額が少ないということも示している。2013年度をみると、最低賃金の160倍稼ぐ層が提出したもので納税額が発生した申告書は35%だった。一方、例えば最低賃金の3倍から5倍の層の申告書では90%以上で納税額が発生している。

「ブラジルは国内総生産の約35%、という、OECD加盟国では平均的な徴税力を持っています。しかしながら消費や生産活動に対する課税と富裕層からの徴税力は弱いです」(IPEA調査員セルジオ・ヴォウフィ・ゴベッティ氏とホドリゴ・オターヴィオ・オライール氏)

<ゆがみを正す方法>

ブラジル税務管理院(IBPT)の主張によれば、所得と財産の申告による課税は消費税などの間接税よりもより逆進性が低く公平性が高いのだという。

昨年2014年末にブラジルを訪問した際、ピケティ氏は相続財産に対してもっとも高い税が課されるべきだ、この財産から得られる収入が国民の間の貧富の差を広げているのだと話していた。

「G1」が1月に行った調査によると、少なくとも59.8%の代議士が莫大な財産に対する課税強化の法案を支持すると答えたという。

(文/余田庸子、写真/Greenpoint Technologies/Divulgação)
写真は、2015年5月にBBCブラジルが報じた、大富豪によって改装されたボーイング747の機内。5つ星ホテル並みの環境とのこと。発注者は明らかにされていない

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