オスカー・ニーマイヤー号、発進

2015年 08月 9日

オスカー・ニーマイヤー号

先月末の7月30日(木)、オスカー・ニーマイヤーの名前を冠した船舶「オスカー・ニーマイヤー号」の操業がいよいよはじまると、現地メディア「アジェンシア・ブラジル」が伝えている。

この船の名前のもとになったオスカー・ニーマイヤーはブラジルを代表する建築家のひとりで、ブラジルのモダニズム建築の父と呼ばれている。2012年に104歳でこの世を去ったが、他界するほとんど直前まで現役で建築設計に携わっていた。最後の建築作品はスペインにつくられた「オスカーニーマイヤー国際文化センター」(2011年)。

「オスカー・ニーマイヤー号」は、リオデジャネイロ州で造船された初の液化石油ガス輸送船で、同社が推進している“近代化と増船計画(promaf)”における11番目の船舶となるという。ニテロイ市にあるヴァルジ・プロマール造船所で式典が行われた後、ペトロブラス(国営石油公社)傘下の船舶など輸送部門を担うトランスペトロ社に引き渡された。

オスカーニーマイヤー号

全長117m、幅が19m、高さ34m。ふたつのタンクがあり、7000m立方の燃料を輸送することができる。同船はエスピリット・サント州のバーハ・ド・ヒアショの港を皮切りに操業を開始する予定。同船は一度、2013年にお披露目され「G1」などで紹介されていた。

プロマール造船所では現在5艘の造船がおこなわれていて、うち3艘は仕上げの段階で、近く完成する予定だという。

“近代化と増船計画(promaf)”によって造船した船舶には、これまでにも主にブラジルの歴史上に名を残した人物の名前が冠されてきた。スエズ運河ではアンドレ・ヘボウサス号、エンヒッキ・ジアス号、ドラガォン・ド・マール号、ズンビ・ド・パウマーリス号、ジョアン・カンジド号。パナマ運河ではアニータ・ガリバウジ号が運行。また、現在造船中のものではジョゼー・アレンカール号、ホムロ・アウメイダ号、セルジオ・ブアルキ・ジ・オランダ号、セウソ・フータード号があるとのこと。

(文/麻生雅人、写真/Agência Petrobras (04/12/2013))