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地方都市から見えてくる、ブラジルの政治と経済の今

ロンドリーナ

8月初旬、サンパウロ州に次いで日系人が多いパラナ州の地方都市である、マリンガーとロンドリーナを訪問する機会があった。マリンガーは2年前にも一度訪問をしているが、ロンドリーナは初めてであった。

どちらも日系移民が多数入植した地域で、現地での存在感も大きい。今回は、経済が悪化してからの訪問ということで、ブラジルの現状を把握する上で貴重な機会となった。

まず、2度目の訪問のマリンガーは、空港に降り立った段階で、前回訪問時と大きく違い、明らかに活気が感じられなかった。

街へ移動するとさらにそれを強く感じた。看板もちゃんとしていて、つい最近までは営業していたことを窺わせる店が並ぶが、今はシャッター商店街となっている場所がいくつかあった。飲食店の落ち込みもひどいようで、以前は昼も開けていたレストランエリアは、夜だけの営業となっていた。

その後、ロンドリーナに約2時間かけてバスで移動し、夜7時過ぎに着いた。

ロンドリーナは、人口50万人を超えるパラナ州第2の都市で、ロンドンを模してドイツ人と日本人が建設したとされるように、非常にきれいで立派な街並みである。新興エリアには高層ビル群もあり、建設中のマンションらしきものも散見された。

しかし、ここにもブラジル経済悪化と大型贈収賄事件の影響が見られ、地方自治体の財政ひっ迫も相まって、多くの企業が業績不振に陥っていた。特に建設業界は、売上が前年比40%減と大きな打撃を受けている。飲食業も5-6店舗展開していた人気店が今年2店舗を閉めて、1店舗は夜だけにしたという話も聞かれ、今開けている店舗の売上も前年比30%減とのこと。外食好きのブラジル人が出かけるのを極力減らして、質素に家で食事をするようになっている。

11年頃からブラジル都市部の経済が緩やかな下り坂に向かっていく中で、成長をけん引したのが地方だった。

しかし、資源価格の高騰で潤ったブラジルの国庫からのバラマキ政策の恩恵に与った地方経済も、同じ財源(国庫)を食い物にして私腹を肥やした現政権与党(労働者党、PT)の悪行の数々が資源価格の下落とともに露呈し、急激に萎んでいるのがわかった。PT追及は政治の麻痺につながり、投資も停滞する悪循環に陥っている。何人か地元の人と景気の話をしたが、PTの悪口ばかりで、すでに10%を切った大統領の支持率を裏付ける感じであった。

当面、緊縮財政を取らざるを得ない中央政府の状況を考えると、地方にお金が回るのはまだ先なので自力再生する必要があるが、今後さらに疲弊して落ち込んでいくのか、今を底として身の丈に合った成長モデルを作れるのか、中央政治のクリーン化とともに地方経済から目が離せない。

(文/輿石信男/クォンタム、記事提供/モーニングスター、写真/Jorge Wol/SEIL/DER)
写真はロンドリーナ市ネイ・ブラガ公園前の国道369号線の歩道橋。ロンドンのビッグベンを想わせる搭が立つ

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