ブラジル進出は、メルコスール(南米共同市場)への優位なアクセスと関税軽減をもたらす!?

2015年 08月 27日

第48回メルコスール首脳会議

過去2回の連載(「ブラジル特報」)において、輸入に関する間接税制度が極めて複雑であることから生じる「ブラジルコスト」と呼ばれる高コスト構造を始めとした、ブラジル進出企業が遭遇するビジネス障壁の紹介とその対策としての特別関税制度の活用を紹介した。

今回は、ブラジルへのビジネス進出が、さらにメルコスール(南米南部共同市場もしくは南米共同市場)での優位なビジネスチャンスをもたらす点を紹介する。

国土の面積が850万平方キロメートル、海岸線の長さが7400キロメートル、人口が約2億人の大陸国家。これがブラジルであり、この数字の大きさに加えて、投資機会の増大及び多様化が様々な外国企業家にとって魅力あるビジネスチャンスをもたらしている。

その将来性を窺わせるものを幾つか挙げるとすれば、ブラジルは今日既に世界有数の携帯電話の市場であり、また牛肉、鶏肉及び大豆の世界最大の輸出国の一つでもあり、自動車とエタノールの生産も世界の上位を占め、当国は大企業のみならず中小企業にとっても大きな可能性を秘めた国と言える。

更にブラジルに投資することにより、同国が BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国。南アを入れる場合もある)の構成国としての役割に加え、メルコスールへの重要な戦略上の入り口としての位置づけを得ることになる。最近の調査では、世界のビジネスチャンスのうち優良な部分をブラジルに見いだすことができるとしている。

メルコスールは、正加盟国としてブラジル、アルゼンチン、パラグイアイ、ウルグアイ、ベネズエラ(2012年に正式に加盟)とボリビア(加盟手続き中)が、又準加盟国としてチリ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ガイアナ、スリナムが参加している。

当ブロックは世界で4番目の経済ブロックであり、GDPの合計は3.2兆米ドルに達し、その内の70%をブラジルが占めている。

メルコスールの砂糖の輸出は世界第1位、大豆の生産・輸出も世界第1位、牛肉の生産は世界第1位、輸出は第2位、ワインの生産は世界第4位、米の生産は世界第9位、小麦とトウモロコシの生産と輸入も世界の上位に入る。

(文/エドアルド・ヴィトール、フェルナンド・マグリ、記事提供/ブラジル特報(日本ブラジル中央協会)「税務の勘どころ」、写真/Lula Marques/Agência PT)
写真は2015年7月17日、ブラジリアで開催された第48回メルコスール首脳会議にて。前列左からアルゼンチンのクリスティナ・フェルナンデス・デ・キルチネル大統領、パラグアイのオラシオ・カルテス大統領、ブラジルのジウマ・フセフィ(ルセフ)大統領、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領

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