レアル安の中、カルフールがブラジルの小売で一人勝ち

2015年 10月 19日

カヘフール

ブラジル現地紙「エスタード・ジ・サンパウロ」の電子版、「エスタダゥン」が16日付で報じたところによると、フランスの小売店グループのカルフールのブラジル子会社がレアル安・景気低迷の中、売上を伸ばしているという。

同紙は、レアル安がカルフール(ブラジルではカヘフールと呼ばれる)グループのヨーロッパでの販売拡大に貢献していると伝えている。

カルフールグループは16日、第3四半期の売上高は年率にして+2.2%、21億5400万ユーロ増加したと発表した。その要因として、フランスを含む同社の主要マーケットであるヨーロッパでの販売が堅調だったことを上げている。

この結果はおおよその市場アナリストの予想21億4300万ユーロを上回っていた。同時期において、オーガニック商品の売上は4.2%増加したという。

カルフールの広報いわく、ブラジルにおいてはオーガニック商品の需要が大きい状態が続いており、ここ数年で最も厳しいと言われている消費不況にも関わらず、この第3四半期は前年同期比で+12.2%の販売増を記録したとのことだ。同社はブラジルでのオーガニック商品の販売傾向はグループ内での傾向を反映しているという。

アルゼンチンでは第3四半期でオーガニック商品の売れ行きは+29.2%に達した。ラテンアメリカ全体でのオーガニック商品販売は7-9月で+16%だったが、全体の売上は2.8%減少した。レアルのユーロに対する25.7%の下落を反映した結果とのことだ。

小売業界への逆風にも関わらず、カルフールが好調なのは売上回復の策が功を奏したためだという。同社は現CEOジョルジュ・プラサ氏が2012年に就任した時までずっと低迷が続いていたが就任後は積極的な低価格戦略を取り、低所得者層にも存在感をアピールした。

フランス国内においては第3四半期において前年同月比+2.3%、10億3000万ユーロを記録した。一方、オーガニック商品だけを見ると+3.5%、10億2700万ユーロだった。カルフールグループはダウ・ジョーンズ・ニュースワイアーによるとスペイン、イタリア、ベルギーでも堅調に売り上げを伸ばしているという。

(文/余田庸子、写真/Divulgação)