第1回世界先住民競技大会でみられる多様な先住民のボディペインティング

2015年 10月 25日

先住民 ボディペインティング

現在、トカンチンス州パウマス市で開催されている第1回世界先住民競技大会では各地の先住民に部族が集結しており、多様な色やデザインのボディペインティングが一堂に会していると現地メディア「G1」が伝えている。

多くの先住民族にとってボディペインティングはトレードマークのようなもので、その文様で一族や家族が区別されていると「G1」は伝えている。

先住民 ボディペインティング

先住民のボディペインティングは共同体の中における個人のアイデンティティを示すことが多く、婚姻しているかどうかを区別する場合もある。

使われている染料は、ウルクン、ジェニパポ、サフランといった天然由来のもので、多くの場合、ウルクンとジェニパポを混合したものが使われるという。

「ジェニパポの実を採って削って作った染料で図版を描きます。赤の染料は、ウルクンの実から種を採り出しペースト状にしたものです」(先住民のひとりマンガガー・パタショーさん)

ジェニパポは木の実から採られた液体は緑色をしているが皮膚に塗ると黒色になるという。

女性の場合は黄色い粘土を使うこともあり、顔の文様の中には婚姻の状態を表わすものもある。

先住民 ボディペインティング

また、ボディペインティングの図形のデザインは、祝祭のとき、神聖な儀式のときなど、ケースによっても異なる。あるいは、幸せな状態を表わす図形から、先住民が直面している問題に対する怒りのメッセージを表わす図形まで、感情を表現した図形もあるよという。例えば、顔に描かれるジャガーの文様は、先住民の社会における戦士を表わしているほか、愛と平和を表わしているという。

「私たちが描く図形は私たちの文化そのものなのです」(ウイナタン・パタショーさん)

ボディペインティングは各人によって独自の文様となっており、まったく同じデザインのものはないという。

クイクロ族のヤカル・クイクロ酋長は、ボディペインティングは先住民にとって服のようなものだという。

第1回世界先住民競技大会ではいくつかの部族が、来場する観客のためにボディペインティングを行う。料金はデザインによって異なる(10レアル~)。図形の大きさや染料の量によって異なるが、ボディペインティングは約4日間消えずに皮膚に残るという。

(文/麻生雅人、写真/Marcelo Camargo/Agência Brasil)
写真は10月25日、トカンチンス州パウマス市で開催されている第1回世界先住民競技大会の会場