リナ・ボ・バルディらしさが詰まった「ガラスの家」

2015年 12月 5日

リナ・ボ・バルディ

展示は同美術館の2階から4階のフロアで行われているが、「ガラスの家」の建築模型は2階にて、家の中のリビングルームの一部は3階にて再現されている。

「リビングルームには、リナが自らデザインした家具や、国内外で集めた民芸品などのコレクションが所狭しと飾られています」(周防貴之氏)

リナ・ボ・バルディ

「ガラスの家」のリビングルームの床には淡いブルーを基調にしたガラスタイルが敷き詰められているが、タイルはハンドメイドなのでひとつひとつの形が異なっていて、その不ぞろいさがモダンな空間の中に有機性をもたらしているという。

このガラスタイルは1950年代当時から変わらずブラジルのタイル工房で製作されているそうで、本展示でも、同工房で製作した同じガラスタイルを空輸、「ガラスの家」の内装を再現している。

かつ、この淡いブルーは家具や柱にも使われ、リビングルームの内装のテーマカラーとなっているそうだ。会場には、金属パイプ部分に淡いブルーを使った「自然布を使ったアームチェア」(1951年)が展示されている。

リナ・ボ・バルディ

同フロアでは、リナがバイーアなどで集めた民芸品(アルテザナート)も展示されている。リナがブラジルの民芸品に興味を傾けたのは、1958年、バイーア州立大学で講義をするため同地を訪れてからのことだという。以来、約6年間、リナはバイーアを拠点に活動するようになり、建築にとどまらずジャーナリスト、舞台デザインなど幅広く活動。1959年にはバイーア現代美術館(MAM-BA)の館長にも就任している。

リナの詳細な活動経歴は、会場4階にて写真と共に紹介されている。

リナ・ボ・バルディ

「リナ・ボ・バルディ展 ブラジルが最も愛した建築家」

会場:ワタリウム美術館
開催期間:2015年12月4日(金)~2016年3月27日(日)
休館日:月曜日(12/7, 12/14, 21, 28, 1/11と3/21は開館)、12/31-1/4は休館
開館時間:11時より19時まで(毎週水曜日は21時まで延長)
入館料:大人 1000円/学生[25歳以下] 800円/小・中学生 500円/70歳以上の方 700円
ペア券:大人 2人 1600円/学生 2人 1200円

主催:ワタリウム美術館
助成:駐日ブラジル大使館、ブラジル文化省
協力:リナ・ボ & P.M バルディ協会(サンパウロ)

ワタリウム美術館

http://www.watarium.co.jp/

東京都渋谷区神宮前 3-7-6
Tel:03-3402-3001

(写真・文/麻生雅人)

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