ブラジルのデモ参加者の必携品!? 風船人形ピシュレッコ

2015年 12月 15日

ピシュレッコ

12月13日(日)、サンパウロのパウリスタ大通りでジウマ・ルセフ大統領(労働者党:PT)の政権に異議を唱えるデモが行われた。現地メディア「G1」(同日づけ)が伝えている。

デモ行進では、ジウマ・ルセフ大統領だけでなくルーラ元大統領(労働者党:PT)もやり玉に挙がったが、ルーラ元大統領への抗議運動ではすっかりおなじみとなった、ピシュレッコとよばれる同氏を姿どった囚人服姿の巨大な風船人形が掲げられた上、小型のピシュレッコが路上で販売された。

ピシュレッコとは賄賂を意味するスラングで、ルーラ元大統領も疑惑が向けられているペトロブラス贈収賄事件の特別捜査の作戦名にも使われた言葉。

大規模なデモだけでなく、リオやブラジリアなどさまざまな抗議運動でこのピシュレッコを人々が手にするようになったため、今年の10月ごろから不景気で経営に苦しんでいた町工場にとって、皮肉なことに思わぬ特需となっているという報道もあった。

今回のデモでは、ジウマ大統領の風船人形も行進に使われたほか、小型人形をデモ参加者が手にしていた。

軍警察のルイス・エンヒッキ・ジャシント指揮官は、デモは平和的に行われ、デモの中での逮捕者は1名だけで、行進の中でブラウスを脱いだ女性のみだったと語った。デモは11時30分ごろからはじまり、14時40分ごろ、パウリスタ大通りは7ブロックにデモ参加者がひしめいた。18時30分ごろには終了したとのこと(次ページへつづく)

(文/麻生雅人、写真/André Tambucci/Fotos Públicas)

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