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ブラジル、政策金利14.25%に据え置きに

BOVESPA指数暴落

IMF(国際通貨基金)の2016年の各国のGDP(国内総生産)成長率予測が発表されたが、ブラジルは想定以上に低く、前年比3.5%減だった。

これはブラジル中銀予測1.9%減、市場関係者予測2.99%減よりも悪く、2015年とほぼ同じ数字となり、2年連続で大幅ダウンを示唆している。

これを受けたかどうかはわからないが、1月20日のブラジル中銀通貨政策委員会では、政策金利が14.25%のまま据え置かれることになった。

会合の前日トンビニ中銀総裁は(ジウマ・)ルセフ大統領と会談を行っており、政策介入との疑いもあるが、すでに政策金利も判断が難しい数字になってきており、どちらが経済回復に効果的なのかは、当事者にもわからないというのが正直なところではないだろうか。

ブラジルの経済を支えた原油、鉄鉱石も、原油は20日のNY原油先物WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)価格が、ついに1バレル=26.55ドル台にまで下落、ピークの4分の1になった。鉄鉱石に至っては今やピーク時の5分の1だ。

そこにきて、ペトロブラスは大型贈収賄事件で、まだ当分は本業に集中できない状況であり、ヴァーレ(ヴァーリ)はミナス・ジェライス州のサマルコ鉱滓ダム決壊の補償が今後どこまで膨らむか予断を許さない局面にある。

どちらもIMFの予測のように、16年は回復の芽はなく、マイナス幅が見通せればよしというところだろう。ちなみにIMFは17年をゼロ成長としている。

(文/輿石信男(クォンタム)、記事提供/モーニングスター、写真/HUGO ARCE/Fotos Públicas)
写真は1月18日、サンパウロ、BM&F Bovespa(証券取引所)。この日、ペトロブラスの株価が5レアルを割った

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